@chablis777
シャブリ

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8月15日 咲太郎と光子さんの結婚なつの誕生日を祝う会が開かれました。
(なつ)亜矢美さんもおめでとうございます。(亜矢美)何で?
♪~
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
(茂木)ん? なっちゃん 今いくつになったんだっけ?
30です。30! はあ~ ハハハハ…。
なっちゃんが その年になって人妻になっちゃうんだからそりゃ 新宿も変わりますよね。
私と新宿を一緒にしないで下さいよ。
(物音)あ~ ちょっと…!
(坂場)亜矢美さんすいません ごめんなさい!
すいません!もう… すいません。
(松井)けど 亜矢美ちゃんはどうするんだよ? 咲坊。(咲太郎)えっ?
この店 立ち退かなきゃいけなくなったんだろ?藤正親分から聞いたぞ。いいの 私のことは。
(藤田)すまねえな 亜矢美。 この店をお前に紹介したのは この俺だが今度ばかりは俺の力じゃ どうしようもねえ。
いいんですよ 親分さんもう分かってましたから。
新宿で いつまでもこんなことは続かないって。
でも 今度 茂木社長には新しいお店 紹介して頂くことになってますから 大丈夫ですよ。
えっ?(カスミ)えっ どこ?
ゴールデン街。ゴールデン街か…。
ダメだ! そんな所はダメ!絶対によせよ 母ちゃん!
そんな おっきい声出して。
新しい店のことなら俺と光子に任せてくれよ。
えっ?母ちゃんが どうしてもこの店を続けたいと言うなら新しい店を 俺と光子が用意するから。
そのぐらいの親孝行はさせてくれよ。
(光子)咲ちゃんの気持ちを私は大事にしたいだけなんです。
亜矢美さんの面倒を見ようとかそんな おこがましいことを考えてるわけじゃないんですよ。どうか 気兼ねなさらないで下さい。
ありがとう…。
でも… 断るよ。
どうして!
(亜矢美)だって 私はゴールデン街で十分だから。
母ちゃん…。その 母ちゃんっつうのもさもう いい加減どうにかしてくんないかな。
私は もともと お前の母親でも何でもないんだからね ハハ。
えっ?亜矢美ちゃん 言い過ぎよ。
咲太郎 いい加減 大人になりなよ。
親孝行だったらさもう十分してもらったからさ。
何もしてないよ!(亜矢美)十分だよ。
俺は まだ あなたに何も恩を返してない!
十分してもらったってば。 ね。
じゃあ これから どこに住むんだよ?
どこにだって住めるよ。
亜矢美さん。
もし よかったらまた 一緒に暮らしませんか?えっ?
あ… 私も もう一人じゃないですけど…。
あ… 別に 僕も構いませんよ。僕がいますけど。
考えてみたら 私は この風車にもう10年も住んでたんです。
北海道の柴田家にいた時間と同じなんです。
亜矢美さんは もう大事な家族です。
亜矢美さんがどこかに落ち着くまででもいいです。
一緒にいて下さい。
ありがとう…。
全く… なんてあんたたち きょうだいっつうのは本当に こんな優しいの…。
だ… だけどさ もう いい加減私を解放してちょうだいよ。
私は 本当に大丈夫だから。 ね。
まあ いいじゃないの。
ゴールデン街だって 亜矢美ちゃんだったら楽しくやっていけるよ。そしたら 私もちょくちょく寄らせてもらうからさ。
(レミ子)私も寄ります。俺も入り浸るよ。
(島貫)俺もだ。 ね 社長。ああ。
亜矢美ちゃんには やっぱり俺が一番似合うんじゃないかい ハハハハハ…。
亜矢美の好きにしたらいい。
どこ行こうと そこが亜矢美の店だ。
俺たちのムーランルージュだ。
よっ!(笑い声)
親分さん…私が この店をやってこれたのは咲太郎と なっちゃんがいてくれたおかげです。
だって 本当に… 楽しかったから。
♪~
亜矢美さん…。
さあ こっから また始まるんだ。
悪いけど また勝手に始めさせてもらうわよ。
私の人生ってやつをね! ジャカジャン。
(島貫)よし 頑張れ亜矢美。
ねえさん歌ってよ。よっしゃ!
♪「紅いルージュにひかされて」フッフ~ 来た来た! 踊っちゃおうかな!
♪「今日もくるくる風車」
♪~
お兄ちゃん…。
亜矢美さん 引っ越したって…どこに行ったの?
分からない…。
お兄ちゃんにも 何も言わずに?
うん…。
カスミさん…。
亜矢美さんは どこに行ったんですか?
さあね… 私にも分からないんだよ。
そんなことって… ひどすぎるだろ…勝手すぎるだろ!
まあ しょうがないじゃないか。それも そうなっちゃったんだから。
どうして!
俺は 母ちゃんのために何も してやっちゃいけないんですか!
あんたの結婚を喜んでるからだろ亜矢美ちゃんが!
えっ…。
心から喜びたいと思ってるからじゃないの。
どういうことですか?
亜矢美ちゃんはね…光子さんに嫉妬したくなかったんだよ。
そんな自分を あんたに見せたくなんかなかったの。
ず~っと そういう思いを押し殺してさ…あんたの母親を演じてきたんじゃないの…。
分かってあげてよ…亜矢美ちゃんだって 弱い女なんだから。
ずっと前から カスミさんはそう思ってたんですか?
うん そうよ…。
でもね なっちゃんが来てから亜矢美ちゃんは救われたと思うよ。
えっ?
これで 本当に咲ちゃんと家族になれたと思って…。
だから 楽しかったって言ったの。
その気持ちだけは うそじゃないと思う。
咲ちゃん あんたは 本当に亜矢美ちゃんの子どもになったんだよ。
純粋に親子でいたいから亜矢美ちゃんは ここを去ったのよ。
♪~
あっ…。
これ 亜矢美ちゃんが この店で最後に聴いてた曲だね。
♪~(レコード「鐘の鳴る丘」)
♪「緑の丘の赤い屋根」
♪「とんがり帽子の時計台」
♪「鐘が鳴りますキンコンカン」
♪「メイメイ小山羊も鳴いてます」
♪「風がそよそよ」
(亜矢美)母ちゃんって呼んでみな。
母ちゃん…。
何だい 咲太郎…。
母ちゃん…。
♪「鐘が鳴りますキンコンカン」
♪「メイメイ小山羊も鳴いてます」
♪~
お兄ちゃん…。
♪~
なつよ 咲太郎よ亜矢美さんは まだまだ これから…。
♪「元気でいろよと いう声よ」
♪「口笛吹いて おいらは元気」
ありがとう 亜矢美さん。
また いつの日か 亜矢美さん!


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