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【高校野球】

関東第一 足で16強 勝負走塁OK

2019年8月15日 紙面から

同2死二塁、右前へ適時打を放った初谷は、相手失策の間に一気に生還(松田雄亮撮影)

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◇全国高校野球選手権<第9日> 関東第一6-5熊本工

 東東京大会で走りまくった足を甲子園でも発揮した関東第一は6-5で熊本工に競り勝って16強に進出。チームトップの俊足の大久保翔太外野手(3年)が1回から足で揺さぶりをかけたのも効いて5回に勝ち越して逃げ切った。東京勢は春夏合わせて180勝目。甲子園初完投した土屋と初戦で好救援した谷のダブルエースに、大会屈指の足攻めも備えた関東第一が、悲願の甲子園初制覇へ一歩前進した。

同2死二塁、重政の左前打で生還する渋谷(松田雄亮撮影)

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 いきなりプレッシャーをかけた。関東第一の俊足1番、大久保が50メートル5秒7の足でかき回した。

 1回、二塁内野安打で出ると、二塁へディレードスチール。「キャッチャーが(返球のときに)ちょくちょく膝をつくのでいけると思った」。さらに配球を読んで三盗を決め、3番・平川の投ゴロでホームをついた。きわどいタイミングでアウトになったが、熊本工を揺さぶった。

5回裏関東第一1死一塁、相手の暴投と悪送球が重なる間に三進する平泉(黒田淳一撮影)

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 東東京大会で、OBのオコエ瑠偉(楽天)がつくった大会記録の6を更新する7盗塁の大久保は「足でプレッシャーをかけることができたとすれば100点満点です」と明るい表情。チームきっての俊足に代表される積極走塁のキーワードは「勝負OK」。わずかなスキをついて次の塁を狙った勝負はアウトになってもいい。

 シングル5安打に、暴投、盗塁、2失策をからめて4点をもぎとったのは5回。4番の平泉は捕手が投球をわずかにはじいたのを見て二塁へ走り、悪送球も誘って三塁へ。野口のけん制死もあったがひるまず、主将の渋谷はすかさず二盗し、重政の浅い左前打でも迷わずホームイン。1年の初谷は右前打の処理ミスを見逃さず一気に生還した。

1回裏関東第一1死一塁、大久保が二盗成功(沢田将人撮影)

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 渋谷主将は「ずばぬけて足が速いのは大久保ぐらいですが全員が相手のスキを見逃さない。勝負OKなのでちゅうちょなくいける」と胸を張る。足が速い、走り方がいい選手を積極的に集め、1年のときからシート打撃で走者をやらせて、走る意識をしみこませた。オコエのころも含めて毎年やっているが、ことしは大きく伸びた選手がとくに多かった。

 東東京大会でチーム19盗塁は出場校中トップ。米沢貴光監督(43)は「走塁は恐れたら何もできない。足が遅くてもスタートが良かったり、ベースの周り方で速く見える」と練習の成果を強調。3回戦の相手は鶴岡東(山形)。17日は米沢監督の誕生日。台風接近による順延のため、くしくもゲームが誕生日と重なった。 (小原栄二)

 

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