◇14日ウエスタン 中日2ー5ソフトバンク
2軍調整中の中日の松坂大輔投手(38)が14日、ウエスタン・リーグのソフトバンク戦(タマスタ筑後)に先発、5イニングを5安打2失点に抑える好投。ソフトバンクの主砲・柳田との対戦を楽しむと、台風による強風も利用。2軍で走り込んだ練習の成果を十二分に披露した。試合は2―5で敗れた。
気持ちを高め環境も利用する。走り込んで体のキレが出てきた松坂がベテランの味をいかんなく発揮した。
ソフトバンクの初回の攻撃。1死二塁で、左膝裏の肉離れから実戦復帰して3戦目の柳田の初打席を迎えた。カットボールを左前に運ばれると左翼・滝野が後逸。二塁打になり先制点を奪われてしまった。しかし、ひるまず3回にはお返し。この日の最速142キロで一ゴロに打ち取った。
「(柳田との対戦は)一番楽しみで、一番力みました。1本目のヒットは納得していないですけど…」と新人・滝野の拙守を笑い飛ばす優しさ。5回の第3打席は四球を与えたため、試合直後に柳田に「最後は四球になってごめん」とメールしたという。
台風のため開催が危ぶまれるほどの強風だった。しかし、「強風をうまく使って投げられたかな。ブルペンからチェンジアップが良かった。三振を取ったのは、ほとんどチェンジアップです」。強風を利用し、カットボールもさえ計6奪三振。若鷹打線を翻弄(ほんろう)した。
好投は練習のたまものだった。2軍調整が決まった日に公約したとおり、遠征先でもしっかり走り込んでいる。「体はよく動けているので、トレーニングなどやれることを続けてやって、投げさせてもらえる機会はいい投球をしたいです」と明るく話した。
門倉2軍投手コーチは「バッターとの駆け引きができていた。体のキレを戻すためいろいろ自分で考えてやっている。それが暑い中のいい投球につながったね」と評価していた。