肉まんや揚げ物とともに「レジ横のファストフード」として陳列されるようになった、セブンイレブンのドーナツ。
セブンカフェの一環でコーヒーと一緒に楽しめるドーナツとして、2015年に京都を皮切りに提供店舗が増えています。
そんなセブンのドーナツ。実は地域によって販売されているドーナツの種類が異なるのです。そして、近畿四国エリアでしか食べられないドーナツがまた特徴的だから困るもの。
今回、京都へ旅行した際に近畿四国限定ドーナツを購入したので、普段の東京版ドーナツとの食べ比べを「関東vs関西」と題してレポートしてみます。
ざっくり言うと近畿四国だけ独自流通という印象。関西旅行へ行くときは購入してみるのも手です。
また、この記事は時すでに古い情報かもしれません。セブンの販路拡大とラインナップ変更が結構頻繁なので、購入する際は最新情報をチェックしてから立ち寄るのがオススメです。
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各地域の区分けと商品ラインナップ
レジ横に置かれている、ドーナツ陳列用のケース。常温で縦4×横4の収容を誇りつつ、どの地域でも常時5種類のドーナツを用意している様子です。
肝心なのがその内容。全国共通で用意されている定番「チョコオールドファッション」もあれば、近畿四国限定「宇治抹茶オールドファッション」なるものもあります。
<販売区域>
関東系(東京一部、神奈川一部、群馬一部、静岡一部)
関西系(近畿、四国一部)
九州系(九州一部)
<販売区域ごとの販売ラインナップ>
関東系のみ:ホイップドーナツ
関西系のみ:もっちリングドーナツ、白バラ牛乳のホイップドーナツ、宇治抹茶オールドファッション
九州系のみ:ジャージー牛乳のホイップドーナツ
関東と九州:ふんわりリングドーナツ、きなこドーナツ
全地域共通:チョコオールドファッション、もちもちいちごリングドーナツ
というのが2015年3月22日時点の情報(公式サイトの魚拓)。もちろん販路拡大と随時変更が加えられているので、今は違うかもしれません。
いざ食べ比べ勝負!関西軍vs関東軍
さて、関西系「実力派ラインナップの関西軍」と、関東九州系「全国型ラインナップの関東軍」で食べ比べをしてみます!今回は入手できた7商品をレポート。
前提として、セブンイレブンでは「ざくざく食感」「ふんわり食感」「もちもち食感」の3つの基準に分けて各商品の食感を決めているとのことです。
第1戦目 リングドーナツ対決
関東軍「ふんわりリングドーナツ」(関東と九州)
まずは関東の地味タイプ、ふんわり食感の生地として作られたリングドーナツです。
少々赤色がかった見た目で、液体コーティングされた砂糖の白みが出ています。
これはドーナツというよりコンビニのパンと言ったほうがわかりやすい味と食感。ヤマザキなどが手掛ける「スティックパン」を思わせる味です。
関西軍「もっちリングドーナツ」(関西系のみ)
対するは関西のみ流通で同じく地味タイプ、もちもち食感の生地を持つリングドーナツ。
「もっちりリング」ではなく「もっちリング」にするあたり、関西コテコテの笑いを狙ったセブンの遊び心が見える商品。色合いが少しオレンジ気味でワンサイズ大きい点が「ふんわりリング」と異なります。
率直に言うと、関東「ふんわりリングドーナツ」との違いがわからない。気持ち程度「もっちリング」のほうが噛むのに力がかかる気もしますが、ブラインドで違いを判別できるか不安なくらい酷似。
ということで、第1戦の判定は「引き分け」!
個人的にこの2商品は「わざわざFFコーナーに置かないでパン棚に袋入りで並べておきなさいな」という印象。ラインナップの中では一番オススメできない商品です。
でも実は、電子レンジで温めると旨いんですよ。500Wで20秒程度で良く、表面の砂糖が溶けだしてパン生地に染みて柔らかくなるのがたまらない。
第2戦目 ホイップドーナツ対決
関東軍「ホイップドーナツ」(関東系のみ)
さて、第2戦は揚げパンタイプの穴無しドーナツ対決。関東軍はオーソドックスなホイップドーナツ。
大体4割くらいを占める生クリームホイップと、パサつき感のあるふんわり生地のパン。若干ウェットでナイフで切ると水気による滲みと適度な空気を持った生クリームの美しさが見て取れます。
生クリームはほのかにクリームチーズが香る味わいで、牛乳らしさを感じられるもの。クドくない適度な甘さとクリームの味わいがなかなかいいものです。
関西軍「白バラ牛乳のホイップドーナツ」(関西系のみ)
対する関西は「白バラ牛乳」という名前を冠しており、関東系よりも平べったい見た目。
というか、白バラ牛乳って関東じゃ知らない人が殆ど。鳥取県の大山(だいせん)にある大山乳業の牛乳ブランド。山陰を中心に関西圏に流通しています。工場まで行ったこともあったなぁ、牛のカウィーかわいい♪
で、肝心の味はこれまた「違いがわからない!」です。関東系よりも若干クリームチーズの味わいが強めでドライな印象の生クリームですが、これもブラインドだとわからないレベル。
ということで、第2戦の判定も「引き分け」!
つーか、材料の原産地が違うだけで製法一緒なんじゃね?
などと突っ込んではいけないのかな。
いや、第3戦は明確に違う商品の対決。これで決着をつけよう。
第3戦目 オールドファッション対決
関東軍「チョコオールドファッション」(全地域共通)
クッキーを思わせるザクザク食感のオールドファッション。チョコレートが一部に塗られたチョコオールドファッションです。
安定感のある美味しさ、適度に空気を含んで焼き上げた感じの出ている食感と味わい。少々ドライな口当たりの生地ですが、チョココーティング部分があるのでいいバランス感でいただけます。
温めると、内包しているバターの香りがふわりと出て美味しさ倍増。チョコレートも甘く柔らかい口当たりになります。
関西軍「宇治抹茶オールドファッション」(関西系のみ)
ざくざく食感の生地で、液状砂糖が塗られています。
生地の外側は茶色なのですが、断面を見ると9割方が緑を占めており、それゆえ外側から見てもほのかな緑色を発しています。
味ですが、口に入れた瞬間の抹茶の香り方がなかなかイイ!芳醇でありつつ、鋭く香ってきます。砂糖の甘さも後からふわりと優しく出てくるのも好印象。
温めても結構美味しいのが魅力。抹茶の香りが花開きますし、砂糖が溶けて生地に少し馴染んで甘さもまろやかになります。
迷うところですが、第3戦の判定は「関西軍の勝ち」!
いや、第3戦の関東軍は全国流通しているんだから関東の商品で勝負するのが筋!
ではあるんですが、関東系「きなこドーナツ」だと宇治抹茶オールドファッションには到底勝てないレベルというのが個人的な感想。一応記載しておきましょう。
関東軍「きなこドーナツ」(関東と九州)
もっちりタイプの生地を有する、きなこドーナツ。
きなこは量が少なく味わいも弱め。存在しているが存在感が薄い、とはいえ強さがないゆえのバランス感覚が魅力かも。自己主張しすぎないことが食べやすさに直結しています。
むせる感じが無いのは食べ歩きにピッタリ。いや、ちゃんと座って食べてます。ちなみに、温めるとまろやかな味わいになりますが、常温のほうが旨いかな。
結論
という感じで関東vs関西で比べてみて、地域差よりも「オールドファッションこそ最強」という結論に至りました。
ただ、やはり個人の好みで食べたいものを食べるのが一番。気になった商品を購入するのがベストです。
ちなみに、ミスドのパクリと称されていた件、調べてみるとミスドは「ドーナツ業界の発展となり歓迎」だとか。BusinessJournalの記事を見るとわかりやすいです。
セブンイレブンはどうしても「パン由来」という印象が出てしまうので、ミスタードーナツのほうが揚げた感覚と生地の口当たりが良くて好きです。
以上です。このレポートを書くためにドーナツばかり食べてしまって、胃がもたれる一日だった……。