敦賀気比が22安打19得点の猛攻で大勝した。1回と2回に3点ずつ奪うと、3回は杉田の2点適時打で加点。5回も杉田の適時三塁打などで2点を追加し、終盤にも大量点を挙げた。杉田は9回の2ランを含む5安打7打点と活躍し、サイクル安打を達成した。国学院久我山は高下が序盤に打ち込まれ、救援陣も相手の勢いを止めることができなかった。
◇
初戦で甲子園初勝利を挙げた国学院久我山は19失点で大敗。エース高下耀介投手(3年)は1回2死から5連打を浴びて先制を許すと、立ち直ることなく3回途中で8失点降板。7回からの再登板と合わせて14失点した。「歴史を変えたのを誇らしく思い、次は2勝目と思ったが、自分はそのレベルに達していなかった。こういうピッチングをして情けなく申し訳ない」と涙をぬぐった。
高下は、西東京大会から全試合に先発し、甲子園の初戦の前橋育英(群馬)戦は5失点しながらも完投。「野球を続けるつもりはない」と高校限りでユニホームを脱ぐ。中沢直之主将(3年)は「高下のおかげでここまで来た。甲子園でも1勝できた。最後は打たれたけど、自分たちは悔いはない」と言い切った。「後輩たちには、自分たちができなかった全国制覇をしてもらいたい」と夢を託した。 (小原栄二)