中日のドラフト1位・根尾昂内野手(19)が13日、ウエスタン・リーグのソフトバンク戦(佐賀・みどりの森県営球場)に「3番・遊撃」でスタメン出場し、初回に3試合連続安打となる会心の中前打を放った。この日は森野2軍打撃コーチの指示で、左膝裏の肉離れから実戦復帰して2戦目のソフトバンク・柳田の打撃を凝視。一流選手からの刺激を受け、守備でも見せ場をつくった。試合は0―5で敗れた。
森野2軍打撃コーチの手招きに、根尾が駆け寄った。試合前のフリー打撃。柳田をケージ後ろ、5メートルの至近距離から見つめた。
「フリー打撃を見させてもらって、スイングを見て、日本球界でこういう打者がトップレベルに立っていくんだなあ、と思いました」
刺激を受けた根尾は、先発した元中日の中田から会心の当たりを飛ばした。初回1死一塁で143キロの速球を中前にはじき返し「しっかりセンターに打てて良かった」。3回2死二塁の第2打席も痛烈な打球を飛ばしたが、二塁手の美技に阻まれた。「惜しかったです」。対戦成績が12打数3安打となった中田は「変化球への対応がうまくなった。もともとバットは振れますからね」と成長を認めた。
守備でも光るプレーを見せた。1回1死一塁で、中前に抜けそうな柳田の強烈なゴロを二塁ベース付近で捕球し、二塁手へ華麗なトス。遊ゴロ併殺を完成させた。
柳田から学ぶ1日を演出した森野コーチは「いろんな選手がいるということ。プロの世界で成功している打者の形を見て、こういう打者がいるとわかってもらえば。見るのも勉強だからね」と意図を説明した。
練習するだけでなく、見て学ぶことも重要。そして、一流にはいろんな自分の形があることも理解する必要がある。一流からの刺激を受け、成長することを周囲の誰もが願っている。(後藤慎一)