事業を通じて社会課題を解決
“はたらく”をよりスマートに
――リコーは1977年に日本で初めてオフィスオートメーションを提唱するなど、オフィス業務の生産性向上を支援されてきました。
坂主はい。その通りです。そもそもリコーの創業者である市村清が唱えた「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」という三愛精神がリコーグループのDNAです。事業を通じて社会課題の解決に貢献するという考えのもと、当社はリコー製品を中心とする製品・サービスの提供を通じて、お客様の業務課題の解決や企業価値の向上を支援してきました。いまICT(情報通信技術)の進歩や働き方改革に伴って、働き方が多様化するなかで、当社が価値を提供する領域もオフィスから現場、社会へと拡大しています。昨年10月には「SDGs強化月間」を実施し、自分の仕事が社会課題の解決とどのようにつながっているのか、全社員で考える活動を行うなど、常に社会に役立つことを意識して事業に取り組んでいます。
――企業を取り巻く情勢が刻一刻と変化していますね。
坂主日本は少子高齢化による労働人口の減少が進んでいます。いま政府が働き方改革に取り組んでいるのは、働き手が減少する中で経済を発展させるには生産性の向上が欠かせないからです。一方、クラウドの普及やAI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務の自動化)、IoT(モノのインターネット)といったデジタル技術の登場で、生産性を飛躍的に向上できる環境が整ってきました。
――デジタルの力で可能になること、またデジタル化で働く場はどう変わるのでしょうか。
坂主デジタルの魅力は大きく二つあります。一つは時間と場所の制約から解放され、いつでもどこでも誰とでもコラボレーションできる、コミュニケーションできる点です。もう一つは人間の知識・能力を補完できること。過去の知を新たな知の創出に活用でき、言葉の壁も比較的容易に越えられます。デジタルワークプレイスとは、物理的に離れた場所で働く人が互いにつながり、知的生産を支える空間。そうした場をデジタルの力でさらにエンパワーすることで、さまざまな課題が一気通貫に解決可能となり、“はたらく”をよりスマートにできると考えています。このような私たちがお客様へ提供する価値をEMPOWERING DIGITAL WORKPLACESと呼んでいます。