情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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愛媛県警作成の手引書入手~「自供させるまで取調室出るな」

2006-04-15 11:03:42 | 適正手続(裁判員・可視化など)
ここ←で,一度書いた愛媛県警が作成したと思われる取調マニュアルの写し(A3一枚)を入手した。国会での質問では,警察庁は「こうしたものを警察庁や都道府県警が正式に作っていることは承知していない」と答えたというが,形式からして,正式に作ったもののようにみえる。

まず,右肩に平成13年10月4日(適性捜査専科生)とあり,警察学校か何かの公的な場所で行われた「適性捜査」なる講座で配布されたものであることが分かる。ちなみに,愛媛県警察学校規定には,「第13条 校長は、第11条第1項の試験に合格して初任科及び初任補修科の課程を終えた学生並びに交通巡視員養成科を終えた学生にあっては卒業証書(様式第3号)を、一般職員初任科、任用科及び専科の課程を終えた学生にあっては修了証書(様式第3号の2)を授与する。」とかかれており,専科なるものは存在しているようだ。

次に,その下に「被疑者取調べ要領」というタイトルがちゃんと付してある。

また,実際に書かれている内容をみると,事前の把握を徹底する,被疑者をよく知れ,言葉使いには絶対に気をつけること,などと取調にあたって必要なことが13項目に分けて書かれており,簡単なメモのようなものではないことが分かる。

これをもって,公的なものではない,ということは,恐らく警察庁が嘘を言ったことになり,適性捜査なる講座を受けた受講生及びそのほかの関係者は,不都合なことは嘘を言ってもいいんだ,と誤解してしまうのではないか?

ここは歯を食いしばってでも,どこの講座でどのように使われたものかをきちんと釈明したうえで,マニュアルの問題点を検証するべきではないだろうか?

前回お伝えした内容のほか,次のような記載がある。

■■引用開始■■
3 粘りと執念を持って「絶対に落とす」という気迫が必要
○調べ官の「絶対に落とす」という,自信と執念に満ちた気迫が必要である

5 取調中は被疑者から目を離すな
○ 取調は被疑者の目を見て調べよ。絶対に目を反らすな。
○ 相手をのんでかかれ,のまれたら負けである。
■■引用終了■■

はっきりしているのは,冤罪の可能性について,まったく考慮していないことだ。つまり,逮捕したら,絶対落とせって言っている。これでは,冤罪事件はなくならない。マニュアルには,「被疑者の言い分について裏付けをとり,被疑事実が否定されるようであれば,直ちに釈放する」という内容が盛り込まれていてしかるべきではないか?

そういえば,愛媛県警といえば,松山地方裁判所が「不当な取調べについて、長時間の取調べ以外は具体的には認定しなかったが、「被疑者が取調べ状況について弁護人に述べている内容等からすれば、自白強要のおそれも一応認められる」と結論付けたことがある警察だ(ここ参照←)。

やっぱり取調の可視化(ここ←参照)は必須のようだ。



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