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【高校野球】

ヤマトがV打! 八戸学院光星の守備職人・沢波大和が9回に決めた

2019年8月13日 紙面から

八戸学院光星-智弁学園 9回表八戸学院光星2死満塁、西村から一塁を強襲する勝ち越しの2点打を放つ沢波。捕手出口=甲子園球場で(七森祐也撮影)

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◇全国高校野球選手権<第7日> 八戸学院光星10-8智弁学園

 2回戦4試合があり、3季連続出場の八戸学院光星(青森)が智弁学園(奈良)との打ち合いを制し10-8で勝ち、春夏通算30勝目を挙げた。海星(長崎)は聖光学院(福島)を3-2で振り切り、17年ぶりの夏勝利。13年連続出場の聖光学院は2年連続の初戦敗退となった。宇部鴻城(山口)は宇和島東(愛媛)に7-3で勝ち、初出場で2勝した2012年以来7年ぶりに初戦を突破した。高岡商(富山)は神村学園(鹿児島)に4-3で競り勝ち、昨夏に続いて16強入りした。

     ◇

 こんな勝ち方もできるのが、八戸学院光星の強さだ。9回2死一、三塁で4安打していた3番の近藤が敬遠されて満塁。4番の原に代わって8回から右翼の守備に入っていた沢波大和外野手(3年)が初球の直球を強振。鋭い打球は一塁手の足に当たってファウルゾーンへ転がる2点勝ち越し打。ヒーローになった160センチのスーパーサブは「正面に行ったので、はじいてくれと思いました。自分がお立ち台とは…。高いですね」と笑った。

 甲子園の神様は強気の初球打ちに味方した。仲井宗基監督(49)は「野球の神様は智弁についているのかとも思ったが、(沢波には)弱気になったら神様が味方してくれないよと言いました。もともと勝負強いが、よう打った。整列のときにほめました」とたたえた。奈良・柏原シニア時代は、沢波が右翼手で、原は一塁手だった。今大会は、青森大会で5本塁打の長打力を買われた原がレギュラーの右翼手で、沢波はベンチ。智弁学園との打ち合いは、打撃不振だった原を思い切って下げ、守備が自慢の沢波を8回から入れたのが当たった。

 青森大会6試合で、チーム打率4割2分5厘、15本塁打で72得点の強打線は甲子園でも健在で、2試合で3本塁打、19得点。甲子園での2桁得点は、北條史也(阪神)、田村龍弘(ロッテ)を擁して3季連続準優勝したころの2012年センバツ以来だ。6点差を逆転されても打ち勝って春夏の甲子園で30勝に到達し、仲井監督も「北條、田村のときのようなスーパースターはいないが、今年はまんべんなく打てる」と自信を見せる。守備職人が打のヒーローになる光星が、悲願の東北勢初Vへ勢いを増した。 (小原栄二)

 

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