アルベドさん大勝利ぃ!   作:神谷涼

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昨日はさすがに疲労のため一日休ませていただきました。
最中はスキップしてます。

2019年8月12日
 R-18版の初夜エピを投稿しました。R-18で検索ください。



8:キング・クリムゾンッ!

 そして三日三晩が過ぎた。

 

 当然ながら、地上調査についてモモンガへの〈伝言(メッセージ)〉も送られたが。

 艶めいた息遣いと喘ぎ混じりに「情報収集を優先し、各自の判断で」との指示が与えられ。

 デミウルゴスらも主の邪魔はできず、ろくな報告もできぬまま情報のみ集積されていた。

 シャルティアは大いに悔しがり、プレアデス含むメイドらに覗きたがる者も多かったが。

 至高の御方の楽しみを妨げてはならぬと、私室に近づく者はいなかった。

 

 だが、状況に大きな変化が起きれば、さすがに報告せざるをえない。

 守護者らの間で意見が割れては、なおさらだ。

 守護者は非干渉と積極的干渉に分かれ。

 さらに、一部は異なる積極的干渉を望んだ。

 かくして、判断を仰ぐべく誰も来なかった雌臭あふれる部屋に、来訪者が訪れる。

 厳罰を覚悟し、ノックの音と共に訪れたるは三人。

 

「――という次第です。指揮官としての己の力不足から、御身を煩わせ申し訳ありません」

 

 デミウルゴスが事情説明をし、頭を下げる。

 要はナザリックもよりの村へと騎士の一団による襲撃が行われんとのこと。

 その騎士らは既にいくつかの村を襲撃し略奪や火付などを行っていたこと。

 騎士らを追うように、粗末な装備をした戦士の一団が接近しつつあること。

 また、この戦士らを殲滅すべく潜伏する魔法詠唱者(マジックキャスター)中心の集団があること。

 

「いや。よい。お前たちの全てを許そう」

 

 三日三晩、アルベドに溺れきっていただけに、罪悪感でいっぱいだった。

 その間、彼らはモモンガの指示通り、ほぼ不眠不休で働いていたらしいのだ。

 しかも、報告の冒頭は蕩けきったまま聞いていた。

 

「「寛大なお言葉、我ら一同感謝の言葉もございません!」」

 

 そんな風に言われては、モモンガとしてはなお、申し訳ない。

 

「……ん。お前とシャルティア、セバスが、この件について意見を分けているのか?」

 

 妙な組み合わせだな、と頭をかしげつつモモンガは話を聞く。

 シーツで裸体を隠してはいるが、背後からはアルベドに抱きかかえられたままだ。

 モモンガとしてはこの間にも愛撫してほしいのだが、アルベドは黙っている。

 まあ、真面目に聞くべき時に違いない。

 

「現状、たいした戦闘力の存在は見当たらず、特殊な魔法や能力も見当たらない……のだな?」

 

 色ボケた頭でぼんやりと聞いた情報だけに、実感はない。

 

「は。私としてはこの機会に、人間のサンプルを確保し、直接情報を吸い上げたく。複数勢力が一堂に会するこの機会こそ、様々な人間から情報確保する好機と考えます」

 

「いえ、ここは最寄りの村に恩を売り、人類との交流拠点とすべきかと」

 

 デミウルゴスの発言にかぶせ、セバスが即座に否定する。

 どうにも二人は、互いに苛立ちを見せている様子だ。

 

「ふむ…………シャルティアはどうなのだ?」

 

 シャルティアは跪きつつも、モモンガを舐めまわすように見つめたまま発言しない。

 

「シャルティア?」

 

「ひゃ、ひゃいでありんす!」

 

 息を荒くしつつあった彼女が、飛び上がるように返事する。

 三日間の情事の痕にまみれたモモンガを観察するに忙しく、ろくに聞いていなかったのだ。

 

「シャルティアはどう思っている?」

 

「に、人間同士の争いに、我ら栄光あるナザリックが関与する必要などないでありんす!」

 

 慌てつつも、はっきりと断言した。

 

「なるほど。シャルティアの考えが多勢を占めているということか?

 確かにギルド、アインズ・ウール・ゴウンとして正しい考えと言えるだろうな」

 

 モモンガは微笑み、三人を眺める。

 ウルベルト、たっち・みー、ぺロロンチーノ。

 やり取りも反応も、彼らの造物主たる三人そのものだ。

 もはやメンバーのいないギルドでも、この忘れ形見たちとなら、似た日々を送れるかもしれない。

 そう思い、満足げに頷いて……シャルティアを手招きする。

 顔を輝かせた真祖吸血鬼が、モモンガの裸体を隠すシーツの中へ飛び込み潜る。

 アルベドは苦笑するのみで止めたりはしない。

 

「っん♡ 人間の都市は見つかったと言っていたな。

 現状で、人間以外の種族による……だ、大規模集落は見つかっているの、か?」

 

 シーツの中であやしい音が響き始めると同時に、モモンガの声に艶が混じる。

 はみ出したシャルティアのスカートの尻が、卑猥に振られているのを見て。

 デミウルゴスとセバスは眉を寄せるが、主にそのような顔は決して見せない。

 

「は。既に都市へと、恐怖公の眷属を多数潜り込ませております。地図や街の情報も集め、分析しておりますが……亜人については、森林内で小規模集落が分散している程度にございます」

 

 デミウルゴスが淀みなく答えた。

 

「よし……全員聞け」

 

 モモンガから黒い〈絶望のオーラ〉が溢れだした。

 

「「ははっ!」」

 

 背もたれに専念していたアルベドも居住まいを正し。

 シャルティアもひとまず、侵入させつつあった舌を口に戻す。

 デミウルゴスとセバスは、頭を床に擦り付けんばかりとなった。

 

「我が方針として、この世界の覇権に関心はない。

 私にはナザリックさえ……お前たちさえあればそれでよい」

 

((な、なんとありがたく慈悲深きお言葉……))

 

 全員が滂沱(ぼうだ)の涙を流さんばかり。

 

「とはいえ、我らは引きこもってもいられまい。ナザリックには維持費がかかる。宝物殿の財産を切り崩せば数百年は維持できるだろうが……数百年後の破滅を、座して待つつもりはない」

 

「無論でございます。それゆえ――」

 

 ギラリと、宝石の眼を輝かせるデミウルゴスに、モモンガは手を開き留める。

 

「まあ、待て。お前たち一方の意見を取り入れるというものではない。

 実戦の実験と、どのように目に映るかという調査は必要だ」

 

「では――」

 

 セバスの眼が光る。

 

「ああ。お前と……そうだな、あと一人か二人、100レベルでない者を連れて行け。

 人員の選択は、セバスが行ってよい。その村を救ってみろ」

 

「ははっ! ありがとうございます!」

 

 恐縮しきりに頭を下げる、セバス。

 

「かまわん。それがお前の中に宿る、たっち・みーさんの意志なのだろう。行け」

 

 元より、時間はない。

 セバスは急ぎ、指輪でナザリック地上部へと転移していった。

 そして、モモンガは残ったデミウルゴスに言う。

 

「デミウルゴス。残ったメンバーから隠密系の人員を選び、村人以外から適当にサンプルを取れ。村人よりは戦士や騎士、魔法詠唱者の方が情報を持つはずだ。また、セバスが苦戦したり敗北しそうな相手が出たなら、支援せよ。勝利より生存を第一にな」

 

「承知いたしました」

 

 満足げに礼をする。

 もともと、モモンガはギルド内の折衝役だ。

 こうした時に折り合いをつける方が、独裁者になるより馴れている。

 

「状況を見て、生かして返した方が得に思えれば、無理に確保せずともかまわん。その場合は、こちらについて気取られぬよう注意せよ。お前も、ウルベルトさんの行け」

 

 デミウルゴスもまた、転移により姿を消す。

 

「ふむ……こんなところか。シャルティアよ」

 

「はっ」

 

 己にも何か指令が……と緊張し、ベッドの上、モモンガの股間の前に跪く。

 

「私とアルベドはこれより身を清めるため風呂に入ろうと思う。お前も入るか?」

 

「ひゃいるでありんちゅ!」

 

 噛むどころか、赤ちゃん言葉になる勢いで即答した。

 

「ああ、そういえば……〈伝言(メッセージ)〉。アウラか? プレアデスの一人に遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)を私の部屋にある浴室へと持って来させよ。至急だ。指輪を使わせてよい」

 

「あの、それでしたらソリュシャンがよろしいかと」

 

 ほとんど黙っていたアルベドが、横から囁いた。

 

「ほう。アウラよ、すまぬがソリュシャンで頼む。あと、安全とわかった土地ならばお前とマーレも、そろそろ調査に出てよいぞ」

 

 通話を切るとアルベドの手を取り、モモンガが立ち上がった。

 実に三日ぶりの、ベッド離れである。

 アルベドがその肩を支えるようにし、シャルティアも慌てて追って、主の脚を支える。

 

「ふう……浴室で外の様子を眺めるとしよう。状況によっては指示も出さねばなるまい。アルベド、私の差配に問題はなかったか?」

 

 真面目な顔を最後に弱らせ、甘えるように首をかしげて問うモモンガ。

 

「見事な指示であられたかと」

 

 冷静に、答えるアルベドだが。

 

(ギャップ萌えええええええええええええええええ!!!!)

 

 彼女の中にもやはり、創造主タブラ・スマラグディナの魂の断片が残っていたのだった。

 

(ぐへへぇ、モモンガ様とお風呂ぉ、どのくらい奥まで洗ってもいいでありんしょうかぁ♡)

 

 もちろん、シャルティアも平常運転であった。

 ただ。

 

(これで、私以外の者にも関心を向けてくださればいいのだけれど)

 

 アルベドはぴったりとモモンガに身を寄せつつ。

 内心で呟いていた。

 色に溺れる自体はかまわない。

 だが、このままでは……モモンガがアルベドの傀儡になってしまいかねない。

 アルベドはそんな主の姿を見たくなかった。

 何より、ビッチとして多数の相手と楽しむ悦びを知ってもらいたかったのだ。

 シャルティアに譲りつつ……ソリュシャンにも少し激しめに奉仕させよう。

 ルプスレギナも使えるだろうし、場合によっては外の“人間”を利用すべきかもしれない。

 

(モモンガ様が私一人に囚われるなんて、よくないわ)

 

 そっと首筋に唇だけ触れるキスをし、甘いキスの返答を受けながら。

 浴室に向かいつつ、思案していくのだった。

 

 すでにシャルティアは、脱ぎながらモモンガの下半身を舐めまわし始めている。

 




 女体の冒険(主にされる側)が忙しくて、モモンガさんはまだまだ外の冒険に出ません。
 アルベドさんはビッチ理論に則って、モモンガさんを正しく導く義務感に駆られています。
 お風呂観戦エピソードは、全年齢版とR-18版に分かれます。
 要望多かったらモモンガさんの初夜(72時間)もR-18で改めて書かせていただきます。

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