朝鮮では、人びとが非常に高い声で話すので、集会はとくに騒がしい。できるだけ高い声で叫ぶことは、物腰が上品である証左となる(ママ)。
社交界では、普通の声で話すのは、奇を衒おうとしている変わり者だと思われ、他人からは悪く見られる。
朝鮮人が喧騒を好むのは、先天的である。
彼らの考えでは、大騒ぎして、はじめて、ものごとは正されるのである。
朝鮮人は、男女とも、生まれつき非常に熱情的である。
しかし、真の愛情は、この国には全く存在しない。
彼らの熱情は純粋に肉体的なものであって、そこにはなんら真心がない。
彼らは、自分自身を満足させるため、手に届く対象には何にでもやたらと飛びつくあの動物的な欲望、獣的本能以外は知らない。
したがって、風紀の腐敗は想像を絶し、「人びとの過半数は、自分たちの真の両親を知らない」と、大胆に断言さえできるのである。
異教徒の男に凌辱されようとした瞬間、キリスト教徒の女性は、しばしば次のように言って彼らを思いとどまらせた。
「私に近づかないで下さい。私はあなた様の娘なのです」。
すると異教徒は、それが真実ではないとしても、少なくとも非常にありそうな事実だと悟って、退くのである。
朝 鮮人は一般に、頑固で、気難しく、怒りっぽく、執念深い。それは、彼らがいまだ浸っている半未開性のせいである。異教徒のあいだには、なんらの倫理教育も行われていないし、キリスト教徒の場合も、教育がその成果をあらわすまでには時間がかかる。大人は不断の怒りを笑って済ませるから、子供たちは、ほとんど懲罰を受けることもなく成長し、成長した後は、男も女も見さかいのないほどの怒りを絶え間なく爆発させるようになる。
しかし不思議なことに、にもかかわらず軍隊は概して非常に弱く、彼らは重大な危機があるとさえ見れば、武器を放棄して四方へ逃亡することしか考えない。たぶんそれは、訓練不足か組織の欠陥のためであろう。有能な将官さえいれば、朝鮮人はすばらしい軍隊になるだろうと、宣教師たちは確信している。
『朝鮮教会史』(朝鮮事情)1874年 シャルル・ダレ (Charles Dallet)
*これは、1866年にソウルで処刑されたダヴリュイ (Maeir-Nicolas-Antonie Daveluy)らフランス人宣教師たちの報告や残した手記をまとめた本。
朝鮮の風紀の腐敗は想像を絶する。1874年 フランス人
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