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（なつ）タンポポか…。
（富士子）なつ　何してるの？
えっ？　うん…　ちょっと。
私も　夕見の力になれたらと思って。
私もね　なつの力になれたらと思ってこれ書いたんだわ。
えっ？
なつがね　子どもの頃からここで食べてきた料理の作り方。
かわいい絵。
なつは　よ～く家事も手伝ってくれたから大体の作り方　分かってると思うけど忘れないでいてくれたらうれしいと思って…。
ありがとう…　これで　絶対に忘れんわ。
あっ　これ　夕見には渡さんの？
あの子には　ノートなんかじゃダメさ。
教えるなら　一から　私が特訓しないと。
そうか。　そだね　ハハハ…。
したけど　あの子までが突然　結婚なんてね…。
なつが　また　この家に奇跡を運んできてくれたんだわ　きっと。
母さん…私が　ここに来たこと　奇跡だと思ってる？
奇跡でしょ…。
なつが　この世に生まれて私の娘になったことは…。
そう思わんかったら　あんたの亡くなられたご両親に申し訳ないわ。
私には　もう　これが普通だわ…。
なつ…　結婚してもつらいことがあったらいつでも　我慢しないで帰ってきなさいね。
あんたは　本当に我慢強いんだから…。
うん…。
なつが生まれてくれて本当によかったわ。
♪～
（ノック）・（夕見子）失礼します。
失礼します。（田辺）やあ　なつさん！
田辺さん　お体は　もう大丈夫なんですか？
（田辺）大丈夫だ。このとおり　ピンピンしてる。
いかった。　あっ　たんぽぽバターの商標を描いてきたんです。
うん　早速　見せてもらおう。
これです。
一見　牛の顔に見えますが中は　タンポポです。
タンポポで　Ｔの文字を描いています。
それは　タンポポのＴでもあり十勝のＴでもあります。
すばらしい！　見事だ。柴田さん　どうさ？（剛男）ああ…。
あっ！　ああ…。
（剛男）本当に大きくなったな…。
あのなつが　もう結婚か。
何言ってんのさ…父さんは心配してたでしょや。
（夕見子）そうそう　結婚は　やっとでしょ。
お前もな。
これ　喜んで使わせてもらうよ　ハハ。
このマークをつけていずれは　バターだけでなくいろんな乳製品を作りたいんだ。
何より　十勝のおいしい牛乳を　そのまま消費者に届けられるようにしたいからな。
なあ。はい！
夕見　十勝の牛乳のために頑張って！
うん。　飲めないけど頑張る！
まだ飲めないんだ…。うん。
（天陽）はい　コーヒー。
ありがとう。（坂場）ありがとうございます。
イッキュウさんのことは兄からも聞いていました。
僕の絵を褒めてくれていたとか。
あ　いや…　褒めるなんて　とんでもない。ただ　感動したと伝えただけです。
まさか　奥原なつさんの幼なじみだとも知りませんでした。
私は　天陽君から絵を教わったの。
天陽君と出会わなかったら今の私はいなかった。
それは　お互いさまだよ　なっちゃん。
天陽さんにとって　絵とは何ですか？え？
また始まった。
絵を描くことと畑で作物を作ることは違いますか？
うん　もちろん違いますよ。
どう違いますか？どう？
あ…　無理して答えなくていいからね。
何それ　分かんないって言う権利は天陽君にあるんだから。
どちらも生きるためにすることですけど。答えるの？
畑仕事は食うためで絵を描くことは排せつかな。
排せつ？うん。
我慢できなくなると漏らしてしまうでしょう。
そういうものですよ　絵は。
それ　昔も言ってたね。
なるほど…。
芸術的な価値を意識してないところにあなたの絵のすばらしさがあるんですね。
絵の価値を描くなんてつまらないですからね。
そうですね。したけど人から褒められれば　うれしいしけなされると悔しいんです。
はい。
うん　そだね…そうやって　純粋に生きられたらいいね。
♪～
僕が生きる場所を選んだようになっちゃんも生きる場所を選んだだけなんだ　純粋に。
アニメーションの世界は僕には分かりません。
なっちゃんと生きられるのはイッキュウさんだけなんです。
どうか　なっちゃんのことよろしくお願いします。
あなたの絵を見て　僕も我慢できずに…漏らしそうです。
＜天陽君は　やっぱり　私の一番の目標です＞
♪～
ああ…　早く新しいアニメーションを作りたいな！
うん！
＜天国のお父さん　お母さん　元気ですか？＞
はい　元気に　ここにいます。
＜私は　この人と坂場一久という人と結婚します＞
はい　分かっています。　お母さんも。
＜未来のことは　まだ全然分からないけど私は幸せです。彼のご両親にもお会いして一緒に食事をしました＞
あの　私やります。
考古学というのはね　なつさん。はい。歴史学なんですよ。
まあ　大学でも史学科の中に含まれたりしますからね。
歴史学というのはですよ　なつさん。はい。
歴史を復元することなんですよ。はい。
もう　お父さんったら…。
＜お二人とも　とてもすてきな人でした。私の過去は　すぐに受け入れてくれて…＞
ごめんなさいね　なつさん。あっ　いえ…。
考古学とはね…。
＜というよりも　食事の間は初めから終わりまでずっと　考古学の話を私にしてくれました。何にでも　興味を示すイッキュウさんがこの時ばかりは　いつになく全く興味なさそうにしているのが妙に　おかしかったです＞
分かりますか？　なつさん。えっ…　はい！
＜そして　翌年の春＞
じいちゃん。
（泰樹）なつそったら格好で　こんなとこ来るな。汚れるべ。
じいちゃんが　なかなか来てくれんから。夕見も待ってるよ。
式には間に合うと言ったべ。慌てるな。
じいちゃん…長い間　お世話になりました。
ありがとうな。
ありがとうは　おかしいべさ育ててくれた　じいちゃんが。
わしも　お前に育ててもろた…。
たくさん…たくさん　夢をもろた…。
じいちゃん…。
ありがとう…。
おめでとう　なつ。
じいちゃん…本当に…どうも　ありがとうございました！
♪～
（菊介）なっちゃんも夕見ちゃんもこんなに　ちっちゃかったのにな。
もうちっと大きかったか…。
（とよ）今日は　いいんでないかい…。
こちらこそ　よろしくお願いします。どうぞ　よろしく。
（地平）じいちゃん！（弥市郎）おっ　地平。
（道子）大家族って　にぎやかでいいわね。（信哉）うん。
組合長　今日は　わざわざありがとうございます。
（陽平）なっちゃん　きれいだな。
ああ…。
（泣き声）
（倉田）おい　何で　お前が泣いてんだ。（門倉）あっ　いや…。
＜十勝に　東京からお兄ちゃんと光子さんも来てくれました＞
（光子）結婚って　いいわね。
＜かなうならばここに千遥もいてくれたら…。私はそう思わずには　いられなかったけどそれでも　この世に生まれたことを神様に感謝したいくらい私の心は　喜びに満ちあふれていました＞
はい　皆さん　準備はよろしいですか？
詰めて並んで下さいね。
＜天国のお父さん　お母さん私を　生んでくれてありがとう。なつは　今日　結婚しました＞
それでは　皆さん　撮りますよ。
笑顔で！（シャッター音）
私も写りたかったけど　やめておいた。
ああ　なつよ　未来永ごう　幸せになれよ…。
来週に続けよ。