本文修正、感想への返答は10日に行います。
あと、10日(明日)は投稿お休みです。
モモンガさんの、封印されしヤンデレ力が解放される……!
「見ろ、アルベド。私は未だ
やさしい声色だが、その目は赤く光り輝き、怒りの炎を噴き上げていた。
漆黒の〈絶望のオーラV〉に入り混じるように、赤紫の〈欲望のオーラ〉も溢れている。
後者は
「モモンガ様! い、如何様な罰も甘受いたします! どうかお許しを!」
NPCとして生み出されたアルベドには、主の怒りが恐ろしくてたまらない。
至高の御方に失望され、捨てられる以上の恐怖などないのだ。
好色に主を貪り、触れていたのも、不安の裏返しにすぎない。
何が怒りを招いたかもわからないまま、ただ震え怯え、ひれ伏す。
「……〈絶望のオーラ〉は出ているが。
許しの言葉はなく。
ただ、やさしく頭を撫でられる。
防御力に秀でたアルベドが、モモンガの手でどうなるはずもないが。
〈絶望のオーラ〉が、頭を握りつぶされそうな――絶対的な死の予感を与えて来る。
「あ、あ……シモベの身で口答えなどして、申し訳ありません……っ」
100レベル護衛役として造られた彼女の体が、ガタガタと震えた。
守護者統括という立場にありながら、呼吸の乱れが治まらない。
生物を死滅させる〈絶望のオーラV〉は、即死耐性を持たされていても……恐ろしい。
「いいや。お前が己の意見を言ってくれたこと、私はとても嬉しく思っているとも。
怒りなどしないし……罰など与えん。ただ、お前の口から、正しい謝罪を聞きたい」
何が、何が怒らせたのか。
アルベドにはまるでわからないのに。
問い返せば、さらなる怒りを招くのではと。思いつくまま、理由を探す。
「もしや、しゅ、種族変化は意に添わぬものでしたか?
私のために斯様な身となられたこと、悔やまれておられたのでしょうか?」
顔を上げ、表情を伺いたくても……頭を上げさせてもらえない。
モモンガの手は、アルベドの頭を押さえつけたまま離さない。
「呪文構成は一部の下位死霊術が消えた程度。
各種耐性を失ったが、飲食と睡眠が自在ならば悪くない。食事も楽しみだな、アルベド」
緩やかな否定、やわらかい言葉。
けれど、アルベドの髪を角を撫でる指は、恐ろしい威圧感を込めたままだ。
変化を咎めたように聞こえたのが問題であったろうか。
いや、そもそも、終焉の戯れとしての婚姻自体が……。
「あ、ああ……私如きとの婚姻を後悔なされておいででしたら、いつでも縁を切ってください!
この姿を見るすら不快でしたら、どうかこの命を摘み取ってくださいませ!」
伴侶に選ばれ嬉しくて。
天にも昇る気持ちでくちづけ、甘えていたのに。
涙をこぼしながら、叫ぶように訴える。
「…………」
失望のため息が聞こえ、手が離れた。
「え……?」
この慈悲深い方を、失望させてしまった。
殺されすらせず、捨てられる――絶望のまま、せめて最後に御方の顔をと見上げれば。
冷え切った目が、紅い光を宿して、見降ろしていた。
欲望に取りつかれた時のアルベド自身にそっくりな……おぞましい視線。
「アルベド。お前は私の、いったい何だ」
紡がれる言葉も恐ろしく冷酷で、まさに悪魔の愉悦に縁どられている。
「わ、私はモモンガ様の、忠実なシモベで――」
恐怖に震え、床に額を擦りつけて。
渇く口の中から、必死で言葉を紡ぐ。
「違う!」
モモンガが、杖を床に打ち付け、激しい音を立て、遮った。
どうしてそんなことを言うのか、と。
「ひっ」
アルベドが小娘のように怯える。
「お前は私の妻だ。伴侶だろうが!」
モモンガは、アルベドに愛されたい、欲情されたいのだ。
これ以上アルベドに触れずいるなど、耐えられなくて。
アルベドの横へと周り、その手を掴んで、立ち上がらせる。
入り混じる黒と紫のオーラの中に飲み込まれる。
絶望と欲望が、交互にアルベドの魂を
「は、は、はい……っ! そうです! 伴侶です!」
身悶えしながら、悲鳴のような声で答えるしか、できない。
「婚姻した夫婦が、二人きりになって、なぜ会話をしない? 私を見もしない?
私の求めることは、そんなに贅沢か? 私はお前にとって我儘な伴侶なのか?」
ねめつける目には涙が溜まっている。
だが、アルベドは悲哀より同情より、恐怖を感じた。
(逆らえないNPCまで、私を捨てるつもりなのか?)
モモンガは心の中で、そう叫んでいた。
身勝手な欲望で、アルベドを睨み
その目は、偏執的な愛情と欲望に満ちている。
「い、いえっ! ごく当たり前のお望みかと!」
シモベに、他にどう答えられるだろう。
「なら、私から離れるな」
(私を一人にするな)
モモンガとアルベドは、吐息の絡む距離にいる。
ふくよかな乳房の先端が、互いにつと触れた。
「は、はいっ!」
互いの肢体が、そっと触れ合う。
答えは震え怯えていたが。
それでも、モモンガが待ち望んだ回答だったのか。
安堵したようにモモンガが大きく息を吐き出し――〈絶望のオーラV〉が霧散した。
ただ薄紫の〈欲望のオーラ〉のみが二人を包む。
「……離れるなよ、アルベド。お前は私を捨てたりしないのだろう?」
潤んだ目で、見つめ。
腕を絡め、抱き寄せながら、懇願するように言う。
モモンガは、
「もちろんです……モモンガ様。モモンガ様が捨てない限り、私は必ず傍にいます」
酷く危うい主に、内心の怯えを隠しつつ。
アルベドは、真剣な顔で答えた。
そう答えなければ、主の魂が壊れてしまいそうに見えたのだ。
「……それが本当なら、もっと傍によれ」
「は、はい」
決して、逆らわない。
全身がぴったりと触れ合い、互いの脚が交差し、乳房が押しつぶされ合う。
モモンガの体がひどく熱い。
心臓が、激しく脈打っている。
アルベドも
己への欲情を感じて、何も感じないわけではない。
動悸は伝染し、脈打つ鼓動が共鳴し合うように高まる。
「まだ、もっと近くに寄れ」
もう密着している。
「は……はい」
だがそれでも、逆らいはできない。
ただ、言われたように、ぐいぐいと身を押し付けるようにする。
「んっ……♡」
100レベル戦士職のアルベドに押されて、魔法職のモモンガが耐えられるはずはない。
あっさりと、モモンガの体が背後に仰向けに倒れる。
「あ、モモンガ様っ」
抱き寄せようと伸ばした手を掴まれ、引っ張られ……。
「何をしている。離れるなと言ったぞ」
仰向けに、ベッドに倒れ込んだモモンガの上に。
アルベドは覆いかぶさる体勢になっていた。
「は、い……」
ふかふかの布団とベッドは、二人の体を包み込むように受け止めている。
「……すまない。ここから先は、よく知らないのだ。アンデッドだった、からな。
アルベドよ。お前に任せて……いいか? 私よりは、詳しい……だろう?」
はぁはぁと、甘く熱い息を吐きながら。
その白く官能的な肢体は、小さく震えて。
濡れた目でアルベドを不安げに見上げていた。
「承知いたしました、モモンガ様。私も実践は初めてですが……努力させていただきます」
先の恐怖がなければ飛びついていただろうが。
今は緊急時でもある。
アルベドは慎重に言葉を選び、モモンガに奉仕すべくドレスを脱いだ。
「……夫婦だろう。これからはただ……その、モモンガと呼べ。アルベド」
脱がせろと、視線で訴えながら。
シモベたるNPCにとってさらに無茶な要求をする。
「わ、わかりました……モモンガさ――ん」
「……まあ、いいだろう。呼び捨てるよう努力をしろよ」
不満そうに唇を尖らせる。
「……ん」
ごまかすように、互いを裸にしていきながら。
アルベドは、モモンガの唇を封じた。
「んんんっ♡ んぢゅっ♡ んぶっ♡ ふーっ♡ ふーっ♡」
再び、玉座の間でと同じ行為。
口の中を犯され、体中を指でいじめられ。
感じやすいモモンガの体は、呆れるほどに絶頂を繰り返す。
ただ。
今回は、キスだけでは終わらなかったけれど。
めんどくさくなって、キスで黙らせるアルベドさん!
さんざんパワハラしておいて、決して攻めには回らないモモンガさん!
タイトルが置いてけぼりになってきた件。
次はR-18投稿にしたものか、地上組その後をすべきか……。
■
〈欲望のオーラ〉
ユグドラシルでは接触対象の精神耐性にデバフ。
転移後は精神耐性のない相手を自身に欲情させる(理性で抑えられる程度に)。
この欲情効果は、接触ならほぼ貫通。精神抵抗弱ければ、姿を見ただけでも効果あり。
アニメ3期のアルベドさんがOPで出してたやつ……という扱い。