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【高校野球】

<光と影と>猛暑の甲子園 前橋育英アルプスに鉄琴の涼風

2019年8月9日 紙面から

猛暑の甲子園に涼風を届けた前橋育英アルプス(満薗文博撮影)

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 猛暑の甲子園に、一塁側アルプスから涼風が吹いた。風鈴の音にも似た鉄琴の響きだ。前橋育英高応援席の吹奏楽部は、群馬県屈指の実力を誇る。総勢64人が奏でる応援曲の中に、甲子園ではあまりなじみのない鉄琴の音色が混じるのだ。

 先攻して追いつかれ、勝ち越したと思ったら逆転されるシーソーゲームで、応援曲もせわしない。グロッケンと呼ばれる鉄琴は2台。懸命にたたいたのは2年生の赤塚萌乃佳(ほのか)さんと、1年生の荒木葵さんだ。「選手にきれいな音でエールを送りたかった」と話した。ここぞの時に繰り出される「Run and GO」は同校のオリジナル曲。吹奏楽部の柿沼晴吾先生が、20年前に鉄琴を導入し、作曲したノリのいい曲だ。

 鼓舞されながら、涙をのんだ丸山大河主将(外野手・3年)は「熱気が伝わって来たが、相手の流れを止められなかった」と、悔しさをにじませた。野球部の清水陽介部長は「甲子園で吹奏楽をやりたくて学校に入って来る子たちもいます。来年もここで演奏させてあげたい」と言った。猛暑の甲子園に、涼風は再び吹くのか。 (スポーツジャーナリスト・満薗文博)

 

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