【高校野球】魔曲に乗った! 国学院久我山、ついに甲子園1勝「心強い」2019年8月9日 紙面から
◇全国高校野球選手権<第3日> 国学院久我山7-5前橋育英“魔曲”に乗って悲願の甲子園1勝-。28年ぶり出場の国学院久我山(西東京)は、1回戦で前橋育英(群馬)との関東勢対決を7-5で制した。2点を追う7回に3連続適時打を含む5連打で逆転に成功。高下耀介投手(3年)、宮崎恭輔捕手(3年)のバッテリーの活躍で春夏通算6度目の出場で初勝利を挙げた。尾崎直輝監督(29)は平成生まれ初の夏の甲子園勝利となった。前橋育英の好投手・梶塚彪雅投手(3年)は8回途中7失点だった。 “終盤の久我山”が本領を発揮。痛快な逆転劇で悲願の1勝だ。7回2死から連打で1点差に迫り、さらに二塁。真っ赤に染まったアルプス席からはチャンステーマ「一本」の大声援。得点につながることが多い“魔曲”に乗って、西東京大会でサヨナラ満塁弾を放った4番の宮崎が中前に適時打。「心強い。聞こえてきてテンションが上がりました」と笑顔を見せた。 エース高下も続き、初球を中前に打ち返す決勝打。「投手心理を考えれば、動揺しているので、初球と思った」。制球が定まらない序盤から中盤にかけて5失点したが、決勝打などタイムリー3本を放ち、自らのバットで3点を取り返した。持ち味通りに尻上がりに調子を上げて5失点しながらの完投。「打ったことよりも投手としての方がうれしい」と振り返った。 夏の甲子園は、ロッテの井口資仁監督がいた1991年以来28年ぶりの出場。11年春も含め、これまで春夏合わせて5度の甲子園はすべて初戦敗退だった。この夏は、仙台育英で甲子園準優勝も経験した国学院大総監督の竹田利秋さんの指導で、好機でのセンター返しを徹底。終盤の勝負強さがお家芸となった。 西東京大会では、準々決勝の早実戦でサヨナラ満塁本塁打、準決勝の東海大菅生戦は7回に突き放し、決勝の創価戦も9回に勝ち越した。選手とともにベンチで派手に喜んだ尾崎監督は平成生まれ監督としての夏初勝利も飾った。「競っていけば、7、8、9回のどこかでひっくり返せると思って選手の背中を押した。皆さんの支えあっての勝利です」 早実戦のサヨナラ満塁弾に続き、大舞台でも殊勲の宮崎は「甲子園勝利という目標が達成できたのはうれしいが、これからも試合は続く。西東京で負けた学校の分まで1つでも多く勝ちたい」と次を見据えた。久我山が魔曲に乗って新しい歴史の第一歩を踏み出した。 (小原栄二)
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