4~6月期GDPは3四半期連続プラス-市場予想を上回る伸び
占部絵美 更新日時
- 設備投資は1.5%増、個人消費は0.6%増、外需は0.3%減
- 国内需要は現時点ではそれほど落ちていない-東海東京調査の武藤氏
Photographer: Tomohiro Ohsumi / Bloomberg
Photographer: Tomohiro Ohsumi / Bloomberg
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2019年4-6月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は、3四半期連続でプラス成長となった。個人消費や企業設備投資など堅調な内需を背景に、伸び率は市場予想を上回った。内閣府が9日発表した。
キーポイント |
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エコノミストの見方
東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミスト:
- 設備投資がそろそろ陰ってくると思ったが意外に頑張ったこと、政府消費が伸びていること、輸入の反動増が大きいかと思ったがそうでもなかったことなど、幾つかサプライズがある。数字の上ではそのあたりが上振れ要因になった
- 個人消費はコンセンサス通りだが、連休効果もあって消費もしっかり戻ってきている分が影響している。公共投資は補正予算効果が進捗(しんちょく)し始めた
- 7-9月期も駆け込み需要で伸びていくが、国内需要は現時点ではそれほど落ちていないということが言える
日本総合研究所の成瀬道紀副主任研究員:
- 消費が強いのは雇用所得環境の改善に加え、改元に伴う10連休や消費増税前の耐久財消費材の売り上げ伸長と、もともと実力もあったところにプラス要因が加わった。設備投資は1-3月が弱めだったので、若干プラスになるだろうと考えていた
- 7-9月までは耐久消費財の伸びが続くだろう。予定外だったのはトランプ大統領の対中追加関税第4弾の発動だ。それ以前のGDP予測ではシリコンサイクルも今後回復し、輸出も持ち直すと思っていたが、9月の追加関税発動により、外需の方が怪しくなって、不透明性が高まっている
- 10-12月はマイナスに転じる見通し。10-12月は消費税後の反動減があるほか、世界経済も米中摩擦の影響で悪くなってくると下振れリスクが高まる。
背景
- 日本銀行は7月に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、実質GDP成長率見通し(政策委員の中央値)を、19年度は0.8%から0.7%、21年度は1.2%から1.1%に引き下げた。海外経済などを巡る下振れリスクを警戒
- 政府は7月の年央試算で、19年度実質GDP成長率を1月時点の政府経済見通し1.3%から0.9%に引き下げた
- 6月の景気動向指数では、一致指数の基調判断が、景気後退の動きが下げ止まっている可能性が高いことを示す「下げ止まり」に据え置かれた。「下げ止まり」は2カ月連続
(エコノミストコメントを差し替えて更新しました)
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