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【神奈川】

戦争体験 笑いあり涙あり 俳優「宝田明物語」など上演 小田原で12日

宝田明物語を説明する沢木さん(左)と井料さん=小田原市で

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 「守り続けよう今の平和を」。むごい戦争体験をした俳優宝田明さん(85)=顔写真=の半生を舞台化した音楽朗読劇とミュージカル調の歌のステージ「私の願い」が12日、小田原市本町の市民会館で開かれる。宝田さん本人と、宝田さんを慕う元劇団四季のトップスターたちが競演。市民合唱団は過去最多の80人が参加し、反戦と平和の尊さを歌う。 (西岡聖雄)

 「ゴジラ」(一九五四年)の主役を皮切りに二百本以上の映画に出演し、日本を代表するミュージカル俳優でもある宝田さんは、十一歳の時、幼少期を過ごした旧満州(中国東北部)で終戦を迎えた。侵攻してきたソ連兵に近所の女性が陵辱される現場に遭遇し、自身も被弾した。麻酔はなく、元軍医が焼いて消毒したはさみで右腹の傷口を切り開き、弾を取り出した。

 心と体を貫いた痛みを忘れることはできない。平和を次代に託す思いで半生を書いた「宝田明物語」が劇化され、四年前から全国で上演している。十一回目の公演となる今回はミュージカル「オペラ座の怪人」や「美女と野獣」などで活躍した俳優の沢木順さんや、井料瑠美さんらが脇を固める。

 元軍医役などを務める鎌倉市出身の沢木さんは「今の時代、何があってもいいが、戦争だけは駄目だと訴える宝田さんの人生を一人でも多くの人に知ってほしい」と語り、井料さんは「笑いあり涙ありの舞台になります」とPRする。

 開演は午後一時半。一部の宝田明物語に続き、二部は歌のステージ。ミュージカル曲のほか、子ども十四人を含む一般公募の市民合唱団が、宝田さん作詞、沢木さん作曲の「私の願い」などを歌う。チケットは二千~四千円、市民会館などで販売中。問い合わせは事務局の金子さん=電080(5510)9510=へ。

 

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