今日は(獣)医学関連の書籍を紹介したいと思います。
タイトルは「『ニセ医学』に騙されないために」、
著者は内科医のNATROM氏です。
年と共に自身の健康問題が少しずつ出てきたので、
それに関連する当書籍を購入して読んでみました。
自分の仕事でも様々な医療系質問を受ける中で、
「うさんくさい」ような治療法も耳にしていますので、
自分の診療にも行かせるとの目論見も兼ねています。
どんな内容?
内容は、
現代医療についての間違った風説や、
化学的な裏付けのない民間医療への批判。
そして健康食品やサプリメントなどの食事療法についての意見。
聞いたことのない医療法も多いですが、
個別の医療法がどうかについて学ぶ必要はありません。
個人的には
・エビデンスに基づかない医療法を疑うべき
・普段はニセ医学に引っかからない人も、弱ると騙される可能性がある
・特定の食事療法やサプリメントのデメリットを知っておく
という部分を推していきたいです。
アマゾンでの評価
さて、アマゾンのレビューでは、
☆3.5
まずまずでしょうか。
内訳をみると☆1が28%と割と多く見られますので、
これが評価を押し下げています。
☆1の内容を見てみると、
匿名に対して批判している人と、
糖質制限関連で批判している人がほとんどのようです。
まず匿名に関してですが、
本で述べられている話が客観的に確かめられるエビデンスに基づいていれば、
筆者が匿名か実名かはどうでもよいと思います。
実名の人が書いていれば信用できるわけではないですし、
ある説が正しいかどうかは発言者ではなく、客観性に基づいて思考すべきだからです。
(本中の意見には参考文献が載せられているので、実際に確かめる事が出来ます。)
後は糖質制限についてですが、
私は筆者の意見が正しいのどうかはわかりません。
とはいえ、いち意見として読んで損は無いでしょうし、
少なくとも糖質関連以外の話は読む価値があるでしょう。
獣医師が読んでみて
私がこの本を読んで特に思ったことは、
・獣医師でもあまり考えずに生活していると、簡単にニセ医療に騙されうる
・「サプリメントは健康に良く、マイナスは無い」のような、
間違った思い込みが自分の中にも発生している
ということです。
ある程度医学的な知識のある獣医がこういう状態なのですから、
一般的な人はより気をつけておかないと、
あっさりと落とし穴にハマってしまうのではないかと思います。
またサプリメントについても気軽に処方していましたが、
これからはデメリットの可能性も考慮しつつ使用を考えなければいけないと思いました。
おわりに
西洋医学万歳という訳ではないですが、
エビデンスに基づく西洋医学はやはり素晴らしいと思います。
エビデンスに基づかない勝手な理論や嘘に惑わされ、
効果が無かったり悪影響があったりする治療を選ぶ事の無いように、
この本で予防をしておいてはいかがでしょうか?
それではまた。