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【高校野球】

星稜・奥川は大船渡・佐々木より上! スカウト陣が絶賛「総合力No.1」

2019年8月8日 紙面から

星稜-旭川大高 9回裏旭川大高、最後の打者を打ち取り喜ぶ奥川=甲子園球場で(七森祐也撮影)

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◇全国高校野球選手権<第2日> 星稜1-0旭川大高

 佐々木に引けを取らない。むしろ上だ! 星稜(石川)の奥川恭伸投手(3年)が令和第1号となる甲子園の完封をマーク。1回戦で旭川大高(北北海道)に1-0で勝利した。最速153キロを計測し、3安打、1四球、9奪三振の快投。プロのスカウト陣からは話題の163キロ右腕、大船渡(岩手)の佐々木朗希投手(3年)より高く評価する声が上がった。 

 最速163キロの大船渡・佐々木に話題性では劣るが、奥川へのスカウト陣の評価は全く引けを取らない。むしろ、上回るほどだ。甲子園のネット裏に陣取ったプロ12球団のスカウトからは絶賛の声が相次いだ。

 中日は、米村チーフスカウトが高評価した。「素材は佐々木が断トツ。でも、総合力は奥川がBIG4の中でナンバーワン」。奥川、佐々木、横浜高の左腕・及川雅貴、創志学園の右腕・西純矢の4人が「BIG4(ビッグ・フォー)」と呼ばれるが、トータルのナンバーワン評価は奥川。「きょうも、1-0の9回を3人であっさり抑えた。これが名門校のエースの資質。1軍で、すぐに投げられると予測はつく。ほぼ完成されていて、心配はない」と信頼度の高さを語った。

 中田スカウトアドバイザーも「佐々木は、体力面など実証されていない面がある。その点、奥川にはその不安がない。ただ、佐々木に強烈な魅力があるのは確か」と佐々木との違いを話す。

 体力面の不安を指摘する声が多く聞かれる佐々木。対照的に奥川なら、強い体力が必須となるプロにも、1年目からすんなり入っていけると見るスカウトが多い。

 他球団の評価も同様だ。ヤクルトの橿渕スカウトグループデスクは「完成度、投げる体力は奥川の方が数段上。投げミスしてはいけない場面で、投げきれる。中学時代から投げて、たくさんのことを覚えてきたのだろう」と話した。さらに「センバツのときより完成度がワンランク上がった」と続ける。

 ロッテの松本球団本部長は「BIG4の中でも、この2人は飛び抜けている。奥川の方が完成度が高いと思うが、2人ともかなりの可能性で上(プロ)で成功する。ドラフト会議の人気を二分するのでは」と展望した。

 大会後の注目は、30日から韓国で開催されるU-18W杯。佐々木と奥川は春の高校日本代表の合宿にも参加している。佐々木と奥川の2人が選ばれれば、また大きな注目を集めるのは間違いない。中日は星稜OBの音スカウトが奥川をマークしており、今後も注目していく。

  (麻生和男)

 

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