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【社会】

帰って来た証言者 あす長崎原爆の日 被爆の十字架公開へ

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 米軍による長崎への原爆投下から九日で七十四年となるのを前に、被爆して倒壊した旧浦上天主堂のがれきから終戦後に米兵が見つけた木製の十字架=写真=が七日、所蔵先の米国の研究機関から長崎市の浦上教会(浦上天主堂)に返還された。頭部だけが焼け残った「被爆マリア」と共に、九日夜のミサで公開される。

 所蔵していた米オハイオ州のウィルミントン大平和資料センターのターニャ・マウス所長が浦上教会を訪れ、カトリック長崎大司教区の高見三明大司教らに「被爆十字架」を手渡した。

 マウス所長は「この十字架は、大量殺りく兵器の使用中止をあらゆる国に要請するよう私たちに促している」と述べ、高見大司教は「原爆を語り伝える揺るがない証言者になってくれると思う」と応じた。

 十字架は高さ約九十センチで金の縁取りがあり、花の紋章が付いている。過去の写真などによると教会祭壇の最上部にあったが、被爆時は別の場所に保管されていたとみられる。一九四五年十月から長崎に進駐した米軍人の故ウォルター・フック氏が発見、長崎の教会関係者から譲り受けた後、同センターに渡ったという。

 

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