自宅やオフィスに設置したWi-Fiルーターが発する電波は、壁や扉などの障害物を越えて届く。ネットワークケーブルが届かない場所でも簡単につながるので便利だが、時には電波が隣接した建物や付近の道路まで届いてしまう。電波の届く範囲にいる第三者がWi-Fiに侵入するリスクがあるのだ。

 こうしたリスクを踏まえて、最近のWi-Fiルーターの大半は、セキュリティーが設定済みの状態で販売されている。固有のSSIDが登録されており、それに対してWPA2(Wi-Fi Protected Access 2、詳しくは後述)による保護が設定済みで、そのまま使えるようになっている。

現在売られているWi-Fiルーターのほとんどが、固有のSSIDとWPA2の暗号キーを設定した状態で出荷している。SSIDや暗号キーは本体に記載されているが、そのまま使い続けるのも危険だ
(撮影:田代祥吾)
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 だが、初期設定のSSIDや暗号キーを使い続けるのも危険だ。

 最近のWi-Fiルーターは、本体に貼られているラベルを見れば、SSIDや暗号キーが簡単に分かってしまう。もし第三者にこれを見られてしまうと、あっさり侵入される危険性があるからだ。

出荷時のSSIDと暗号キーは初期値から変更しておこう。なおWi-Fiルーターを初期化すると、ラベルに記載されているSSIDと暗号キーの設定内容に戻る
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 第三者がWi-Fiルーターを触れることができる場所に設置するなら、ボタンを押すだけで接続設定ができるWPS(Wi-Fi Protected Setup)といった機能をオフにしておくべきだろう。本体のボタンを押されたら、あっさり接続されてしまう恐れがあるからだ。