アクセスランキング

先人たちが目指した日本の姿。それは私達の国が常に「よろこびあふれる楽しい国(=豈国)」であり続けることです。


日本の原風景

「ねずさんのひとりごと」は、ドメイン変更をしました。
ブックマークに登録してくださっている方は、登録変更をお願いします。(ドメイン変更日:2019年5月26日)
旧ドメイン:http://nezu621.blog7.fc2.com/
 ↓↓↓
新ドメイン:http://nezu3344.com



人気ブログランキング応援クリックこちらから。いつもありがとうございます。

平成31年度倭塾動画配信サービス受講生募集中


底抜けの明るさとやさしさ。
そして凛とした厳しさ。
そして雄々しくあること。
これこそ日本人の日本人たるところです。


杉山茂丸
20190803 杉山茂丸
画像出所=http://fukuoka-senjin.kinin.com/senjin/1369
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


昭和初期を代表する日本のミステリー小説家として有名な夢野久作は、本名を杉山泰道(すぎやまたいどう)と言って、父親は玄洋社にあって国家主義者の巨魁といわれた杉山茂丸です。
その泣く子も黙ると言われた超大物の父、杉山茂丸について、夢野久作は
『父杉山茂丸を語る』という一文を書います。

読んでみると、これが実におもしろい。
ちょっとその「さわり」をご紹介してみます。
夢野久作がまだ5〜6歳だった頃のことです。

 ***

久しく家を空けていた父が久しぶりに帰宅しました。
帰って来た父は私の頭を撫でる間もなく、
かみそりを取出してしきりに磨ぎ立て、
尻をまくってアグラをかくと、
突然、きんたまの毛を剃り初めました。
なんでも、きんたまにシラミが湧いたのだとか。

「門司の石田屋という宿屋で
 頭山満と俺とが宿賃が払えずに、
 故郷を眼の前にしながら
 フン詰まっていたんだ。

 ところで頭山も俺も
 きんたまの毛に
 シラミがウジャウジャしていたから、
 ひとつこいつを喧嘩させてみようではないか。
 で、負けた方がここに滞在して小さくなっていて、
 勝った方が宿賃の金策に出る事にしよう!」

てなことになったのだそうです。



『ねずさんのひとりごとメールマガジン』
登録会員募集中 ¥864(税込)/月  初月無料!

20190317 MARTH


頭山が「面白い、やってみよう」と云うた。
ところが頭山のシラミは真黒くて精悍な恰好をしている。
俺のに湧いたヤツは真白くてムクムク肥って活動力がない。
これではドウ見ても勝てそうにない。

しかし俺には確信があったから、
新聞紙を四ツに折って、
その溝の十文字のところで選手を闘わせた。
案の定、俺の白いヤツが
黒い奴を押し倒おして動かせない。
で、俺が解放される事になって帰って来た訳だ。

ナアニ、頭山は正直だから、
シラミを逃がさないようにシッカリとつまんで出すから、
土俵へ上らないうちに代表選手が半死半生になっている。
俺の方は、選手をつまみ出すときから、
出来るだけソーッとつまんで、
てのひらに入れてソーッと下に置くのだから、
双方の元気に雲泥の相違がある。

勝敗の数は勿論、問題じゃないことになるのだ!ワハハ」

この話で、ウチ中が引っくり返るほど笑い転げました。
とにかく父が帰ると同時に家中が急に明るく、
朗らかになった気持だけは、今でも忘れない。




 ***

杉山茂丸とまでいかなくても、こうした破天荒な明るさ・剽悍(ひょうかん)さを、幕末から明治、大正、昭和初期に来日した外国人や、外地で日本の兵隊さんたちと接した外国人たちが「日本人の特質」として等しく紹介し指摘していることです。

義和団事件の模様を「北京篭城」という本に書いた英国人ジャーナリストのP・フレミングは、20万の大軍を相手に篭城戦を戦ったときの日本の兵隊さんたちについて、とても人間業とは思えない光景を見たと言って、次のように語っています。

 ***

隣の銃眼に立っている日本兵の頭部を銃弾がかすめるのを見た。
真赤な血が飛び散った。
しかし、彼は後ろに下がるでもなく、軍医を呼ぶでもない。
「くそっ」というようなことを叫んだ彼は、
手ぬぐいを取り出すと、
はち巻の包帯をして、
そのまま何でもなかったように敵の看視を続けた。

また戦線で負傷し、麻酔もなく手術を受ける日本兵は、
ヨーロッパ兵のように泣き叫んだりはしなかった。
彼は口に帽子をくわえ、かみ締め、
少々うなりはしたが、メスの痛みに耐えた。

しかも彼らは沈鬱な表情一つ見せず、
むしろおどけて周囲の空気を明るくしようとつとめた。
日本兵には日本婦人がまめまめしく看護にあたっていたが、
その一角はいつもなごやかで、
ときに笑い声さえ聞こえた。

長い籠城の危険と苦しみで
欧米人、とりわけ婦人たちは暗かった。
中には発狂寸前の人もいた。
だから彼女たちは日常と変わらない日本の負傷兵の明るさに接すると
心からほっとし、
看護の欧米婦人は皆、日本兵のファンになった。


 ***

どんなに苦しくても貧しくても、痛くても悲しくても、泣きわめいたり当たり散らしたりするのではなく、明るさと笑いをもたらす。
それは自分より周囲の人々を大切に思う、日本人の思いやりの心が普通に誰にでも備わっていたからです。

フランス人のボーヴォワルは、来日して日本人に接し、その印象を次のように述べています。

 ***

日本人は笑い上戸で、心の底まで陽気である。
日本人ほど愉快になりやすい人種は殆どあるまい。
良いにせよ悪いにせよ、どんな冗談でも笑いこける。
そして子どものように、
笑い始めたとなると、
理由もなく笑い続けるのである。


 ***

腹の底から屈託なく笑えるというのは、相互の根底に互いの信頼関係があるからです。
「どんなに親しい友人でも、決して一緒に井戸の底を覗いてはならない」
というのは、Chinaの格言です。
果たしてそういう社会で、人と人とが信頼しあい、お互いに腹の底から大笑いすることなどできるのでしょうか。
みんなが大笑いできる国であるということは、良い国家であることの重要なファクターといえるかもしれません。

こうした一方で、夢野久作は父について、次のような逸話も紹介しています。
やはり久作がまだ幼かった頃のことです。

 ***

奥の八畳の座敷中央に火鉢と座布団があり、
そこにお祖父様が座っておられました。
大変に憤(おこ)った怖い顔をして、
右手に総鉄張りで梅の花の模様の入った
銀制の煙管(キセル)をを持っておられました。
そしてその前に、父が両手を突いて、
お祖父様のお説教を聞いているのを、
私はお庭の植込みの中からソーッと覗いていたのです。

そのうち突然にお祖父様の右手があがったと思うと、
煙管が父のモジャモジャした頭の中央にぶつかって、ケシ飛びました。
それが眼にも止まらない早さだったので
ビックリして見ているうちに、
父のモジャモジャ頭の中から
真赤な滴りがポタリポタリと糸を引いて
畳の上に落ちて流れ拡がり初めました。

しかし父は両手を突いたままジッとして動きません。
お祖父様は、座布団の上から手を伸ばして、
くの字型に曲った鉄張り銀象眼の煙管を取上げ、
父の眼の前に投げ出しました。

そして、
「モット折檻してやるから真直に直して来い」
と激しい声で大喝されたのです。
父はうやうやしく一礼し、煙管を拾って立上りました。
その血だらけの青い顔が、
悠々と座敷を出て行くところを覚えています。

 ****

幼い久作には、祖父が何で怒り、父がなぜ叱られていたのかまではわかりません。
けれど、幼子の前で、祖父が若い父親を叱り、キセルが曲がるほど強くひっぱたき、そのため頭から血を流しても、堂々と立ち振る舞い、きちんと頭を下げ続ける父。

笑いの絶えない明るさがある一方で、

厳しく雄々しく、

凛とした強さを持ち、

互いの絆、信頼を大切にし

毅然とした親子もある。

それが日本の原風景です。

ですから笑いも、昨今の馬鹿笑いとは異なります。
近年のテレビなどによく出てくる穢族系の瞬間芸のようなものは、昔は「くだらない」と一蹴されたものです。
笑うのは「たのしい」からです。
その「たのしい」は、楽しい、愉しい、怜しいなどとかきました。

楽しいは、楽曲を聞いて良い気持ちになることです。
愉しいは、不安な気持ちが抜き取られることです。
怜しいは、神々の御前で心を穏やかにすることです。

いずれも、素敵な気持ちになることです。
それは、無理やり笑いを誘う馬鹿笑いとは、まったく異なるたのしみです。

だから子供の頃、よく言われました。
「テレビを観ていると馬鹿になる」
まさにその通りであることに、最近の若者達は気づきつつあります。


※この記事は2012年8月の記事のリニューアルです。
お読みいただき、ありがとうございました。


人気ブログランキング
↑ ↑
応援クリックありがとうございます。


講演や動画、記事などで有償で活用される場合は、
メールでお申し出ください。

nezu3344@gmail.com




関連記事

コメント
自分自身の原風景
『原風景って、昔の田舎の景色のことなの?』
能天気な相方が聞いてきます。
そういう見方もあるかも知れませんが少し違うと思います。
「見た目の景色じゃ無くて、その時代や場所…人々の心のありようと生きざま…それが原風景だと思うよ。」
『難しくて分からん!』

初めて異国に渡った時のことをよく思い出します。
言葉はダメだし…歩く以外は何もできないし、何も分からない…朝から晩まで不安。
突然!
生まれたばかりの赤ん坊になった!
そんな気分でした。
その赤ん坊が初めて見たり経験した異国の文化。
驚き
感動
動揺
失敗
恐かったです。
でも、全てが新鮮でした。
こんな思い出に、一人旅が好きになった自分の「原風景」を感じます
2019/08/07(水) 11:17 | URL | takechiyo1949 #-[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
*引用・転載について
ブログ、SNS、ツイッター、動画や印刷物作成など、多数に公開するに際しては、必ず、当ブログからの転載であること、および記事のURLを付してくださいますようお願いします。
ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
最新刊
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』

スポンサードリンク
カレンダー
07 | 2019/08 | 09
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク
このブログをリンクに追加する
リンク2
スポンサードリンク
<
カテゴリ
月別アーカイブ
スポンサードリンク
解析
スポンサードリンク
ねずさん(小名木善行)著書
↓最新刊↓


↓好評発売中↓








ねずさんメルマガ
ご購読は↓コチラ↓から
ねずブロメルマガ
ご寄付について
ねずブロはみなさまのご支援で成り立っています。よろしかったらカンパにご協力ください。
【ゆうちょ銀行】
記号番号 00220-4-83820
【他金融機関から】
銀行名 ゆうちょ銀行
支店名 〇二九(店番029)
種目  当座預金
口座番号 0083820
口座名義 小名木善行
【問い合わせ先】
お問い合わせはメールでお願いします。
nezu3344@gmail.com

講演のご依頼について
最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
テーマは、ご自由に設定いただいて結構です。
講演時間は90分が基準ですが、会場のご都合に合わせます。
E-mail nezu3344@gmail.com

講演テーマ
<ご参考>
古事記に学ぶ経営学
古事記に学ぶ日本の心
百人一首に学ぶ日本の心
女流歌人の素晴らしさ
日本人の誇り
その他ご相談に応じます。
検索フォーム
スポンサードリンク
関連サイト
祝日には国旗掲揚を!
御国旗セット
¥2,190

大型御国旗セット
[ステンレス製3mポール付き]
¥4,800

御国旗伸縮ポールセット【大サイズ】
¥3,000

御国旗セット L
[ マンション設置用 Lタイプ テトロン 国旗 ]

台灣民政府
台湾民政府
サンフランシスコ講和条約で、日本は台湾に関して処分権は連合国に提供しましたが、領土の割譲は行っていません。条約以降、連合国も日本も台湾の処分先を決めていません。つまり台湾はいまも日本であり、台湾にいる1500万人の戦前からいる台湾人は、日本国籍を有する日本人です。私は台湾民政府を支持します。
お薦め書籍1

日中戦争-戦争を望んだ中国 望まなかった日本


江戸の自治制


幻の黄金時代


ドキュメント自衛隊と東日本大震災

スポンサードリンク
コメントをくださる皆様へ
基本的にご意見は尊重し、削除も最低限にとどめますが、コメントは互いに尊敬と互譲の心をもってお願いします。汚い言葉遣いや他の人を揶揄するようなコメント、並びに他人への誹謗中傷にあたるコメントは、削除しますのであしからず。
最新トラックバック
AdSense
コメントをくださる皆様へのお願い
いつもたくさんのコメントをいただき、ありがとうございます。
ほんとうに皆様のコメントが、とっても嬉しく、かつありがたく拝読させていただいています。

議論というものは、すくなくともこのブログのコメント欄が、国政や地方自治、あるいは組織内の意思決定の場でなく、自由な意見交換の場であるという趣旨からすると、互いに互譲の精神を持ち、相手を尊敬する姿勢、ならびに互いに学びあうという姿勢が肝要であると存じます。

私は、相手に対する尊敬の念を持たず、互譲の精神も、相手から学ぼうとする姿勢も持ち合わせない議論は、単なる空論でしかなく、簡単に言ってしまえば、単なる揶揄、いいがかりに他ならないものであると断じます。

ましてや、自分で質問を発したものについて、それぞれお忙しい皆様が、時間を割いて丁寧にご回答くださった者に対し、見下したような論調で応対するならば、それは他のコメントされる皆様、あるいは、それをお読みになる皆様にとって、非常に不愉快極まりないものとなります。

従いまして、謙譲・互譲・感謝、そして学ぶという姿勢のない連続投稿、粘着投稿に類する投稿をされた方については、以後のコメント書き込みを、管理人である私の判断で投稿の禁止措置をとらせていただきますので、あしからずご了承ください。
エディタ・コミュニティ
edita.jp【エディタ】
amazon
通州事件の真実
通州事件を実際に体験された女性の手記です。
クリックするとテキストファイルが開きます。
https://docs.google.com/file/d/0B9Dh1-gISO9CZERHN2oxempSeEk/edit
ねずブロの拡散・転載について
当ブログの日本の心を伝えるための適法かつ前向きな拡散はおおいに歓迎です。 ただし適法な引用でないと、著作権侵害で処罰されることがありますのでご注意ください。
RSSリンクの表示
FC2ブックマーク

PING送信プラス by SEO対策

QRコード
QRコード
スポンサードリンク