独自のWebマーケティング力が強み。自社研究・開発製品をより多くの方にお届けする。
シンゲンメディカル株式会社は、Webマーケティングをコアスキルとして、健康食品やサプリメント、化粧品、医薬品などの製造販売を行っている会社である。しかし社名や事業内容を見て「医療関係は難しそう」と尻込みする必要は全くない。入社時点で医療や健康食品などに関する予備知識がなくても大丈夫。Webマーケティングを極めたい、Webデザイナーまたはコーダーとしてプラスアルファのスキルを身に着けたいなどなど、Web業界の中で今後のステップアップを模索している人には、ぜひとも注目して欲しい会社だ。
同社が取り扱う製品は、前述したとおり、健康食品やサプリメント、化粧品、医薬品などである。同業他社と比較した際の最大の特徴は、製品の主原料となる健康成分・医薬成分の研究開発から商品の企画・製造・販売に至るまで自社内で一貫して行っていることだろう。
特に主原料となる健康成分や医薬成分は、北海道大学のフード&メディカルイノベーション国際拠点内(FMI国際拠点)に開設したシンゲンメディカル札幌研究所で、札幌医科大学准教授などを勤めてきた経歴を持つ高橋延昭氏が中心となり独自の研究開発を進めている。同研究所で臨床実験などの実証を重ね、さらに都内で運営するクリニックで治験データを採るなど、しっかりしたエビデンスに基づいた製品開発を行っているのである。また製造も外部には委託せず、熊本の自社工場で行っている。
エンドユーザーとの接点も全て自前だ。大阪本社と東京支社をビジネスの中核拠点として、独自のWebマーケティングスキルを用いてユーザー層へと訴求している。当然、販売のプラットフォームとなるホームページ作成や受注・発送をおこなうコールセンターまでも全て一貫して自前でおこなっている。
2003年の創業以来、同社は持続的な成長を遂げてきた。近年は台湾にも支店を開設してアジア圏を舞台としたビジネスも展開し始めている。その成長を支えてきたのが、コアスキルであるWebマーケティングの技術だ。その技術は代表取締役・藤岡成友氏が中心となって独自に発展させてきたものだ。そのノウハウ、スキルを活かして、医療機関の集患コンサルティングといったサービスも行っている。まさにこの技術こそが、同社の事業全体を支える最大の強みなのである。
トレンドに流されず、ユーザーが本当に望む製品を届けるために
創業者である藤岡氏は、創業前はプロのミュージシャンとして活動。もともと医療や健康食品といった分野とは接点がなかった。バンド活動の一環として、所属するバンドのホームページやプロモーションビデオを編集するなどしていた。そこでパソコンやインターネットに触れていたことがその後の起業へと結びついたのである。
2003年の創業時は、藤岡氏とアルバイト数名でスタートした同社。当時は現在のような製販一体型ではなく、仕入れ商材をWebサイトで販売するビジネスモデルだった。立ち上がりは好調で、創業2年目には自社ブランド製品を立ち上げて販売をスタートし、3年目には法人化を果たした。ただし、当初は、既存メーカーからOEM供給を受ける形での展開だった。ところがその供給元と自社の製品作りに対する考え方があまりに違うことから、自社で開発機能を持った製販一体型のビジネスモデルへと転換することを決意したのである。
「当時の仕入れ先の製品は、臨床試験も経ずに製造されたものでした。弊社のお客様は当時から深刻な疾患、悩みを持っている方が多く存在しており、中途半端なことは出来ないと感じ始めたことが、製販一体型のビジネスを始めるきっかけとなりました」(藤岡氏)
深刻な悩みを抱えている顧客の声をダイレクトに聞く中、きちんとした製品を届けたいと考えて動き始めた時に出会ったのが、現在、札幌医薬研究所で所長を務めている高橋氏(当時、札幌医大准教授)だった。それから同氏の研究成果をベースに製品開発をスタートし、同氏の大学退職を機に自社へと迎え入れ、現在へと至っているのである。
シンゲンメディカル社の製品開発上の方針はあくまでも独自路線を貫くことだ。成熟社会に入ってからの日本では長らく健康ブームが続いているが、その中でもトレンドは絶えず移り変わっている。同社はそういったトレンドに乗った製品開発はしない。あくまでも自社が積み重ねる研究成果を基盤とし、その上で、顧客の購買習性をイメージし、本当に望まれていることは何かを徹底的に考え抜いて商品を開発しているのである。
その結果、創業から2015年に10年目を迎えるまで、毎年極端な伸び率ではないものの着実に業績を伸ばしてきた。大阪で数人からスタートしたネット販売事業が、今では東京、大阪合わせて約27名、年間数億円規模の広告費を扱う事業へと成長した。
海外だけではなく、国内のマーケットもまだまだ開拓の余地があると藤岡氏。従来は疾患や体質的な悩みを持ったユーザーに向けた製品を中心にしてきたが、今後は、新規プロジェクトとして、健康増進を目的とした製品群を立ち上げることが決まっている。
現在、Webマーケティングチームは、広告運用、Webデザイナー、コーダーなどの職種で9名だが、新規プロジェクトの立ち上げは、これから採用するメンバーで構成する新しいチームに任せる考えだ。
人を大事に、10年連続離職率ゼロを実現。求めるのは自由な発想力
シンゲンメディカル社は人を大事にする企業である。創業以来12年間の離職率はゼロだ。その理由はひとえに待遇面の良さにある。1人1人をしっかり評価し、頑張れば頑張った分だけ給与、賞与に反映するという考えだ。厳密な評価制度は導入していないものの、藤岡氏や幹部社員が各スタッフとのコミュニケーションを密に取りながら評価していく。顧客サポートなど、成果が見えにくい職種の社員に対する気配り、目配りも怠らない。
そんな同社が社員に求めることは発案力、発想力である。他社と同じことをしない、トレンドには乗らない、という同社の事業方針を実現するためには非常に重要なポイントである。発案力、発想力を高めるには、仕事が好きであることと、人に対する興味を持つことが大切だと、藤岡氏は語る。採用の過程で最も注視するポイントは、業務経験や学歴などではなく、コミュニケーション力だ。
「Webマーケティングを例にとると、10年広告業界にいた人より、携わりはじめて1年目の人材の方が面白い発想をします。大切なことは製品を使う人の気持ちです。Webマーケティング業界で長年勤めている人の中には、データでしか考えられない人がいます。そこでアウトプットされるアイデアはありきたりのものにしかなりません。確かにデータは軽視できませんが、ユーザーの気持ちをつかむには、データに捉われず自由な発想をする必要があります。そのような視点で取り組んでいるので、弊社で3年働けば大抵のものは売る事ができる力がつきます」(藤岡氏)
発案力を磨くにはプライベートを充実させることも重要だ。だからこそ同社では、残業をしない方針を全社で共有し徹底している。定時は6時半だが、繁忙期であっても7時までには全員退社している。就業中は仕事に集中し、退社後はプライベートを充実させる。プライベートを充実させることは、他者への関心につながり、自由なアイデアの源泉にもなるのである。
といっても就業中の雰囲気がピリピリしているわけではない。海をイメージした装飾など、解放感のあるオフィスで、年齢も経験年数もバラバラな社員たちが、それぞれチームの一員としてコミュニケーションを楽しみながら仕事をしている。大阪本社と東京支社の垣根もない。半年ごとに全員本社に集まって行う飲み会、毎年行われる海外旅行(自由参加。2014年と2015年はハワイ、2016年は台湾、2017年はグアム)なども、一体感を保つきっかけとなっている。
平均年齢は約30歳。女性社員の比率が高いこともあり、産休制度(休職中も有給)も整備されている。年齢、性別に関わらず、仕事や人とのコミュニケーションを楽しめることが出来る人ならどんどん活躍できる環境がシンゲンメディカル社にはある。新規プロジェクトの中核メンバーとして活躍できるチャンスをぜひとも掴み取ってほしい。