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【ゴルフ】

渋野、速いプレーでゴルフ界魅了

2019年8月7日 紙面から

◇武川玲子コラム「ゴルフ米ツアー見聞録」

 20歳の渋野日向子が、42年ぶりに日本にメジャー勝利をもたらした。表彰式、記念撮影、日本のみならず英国、米国のテレビのインタビューに優勝記者会見。英語と日本語で応じ、メジャー勝者としての多くの任務を済ませた。

 メディアセンターの外に出たのは、午後9時をすっかりと過ぎていた。優勝を決めてからゆうに2時間はたっていた。日没の遅い夏の英国だが、さすがに辺りは薄暗くなり始めていた。ギャラリーはコースから立ち去り、静けさを取り戻していた。その景色に溶け込むように、渋野が出てくるのを、ファンはじっと待っていた。

 多くは日本人だったが、その中に地元の英国人母子の姿があった。10歳くらいの女の子を見つめながら、母親は「どうしても娘があの笑顔の勝者と写真を撮りたいと言うから、帰れなかった」と話した。渋野はもちろん最高の笑顔でサインをして、一緒にカメラに納まった。

 渋野の笑顔は世界を魅了した。そしてゴルフ界を魅了したのは、速いプレーぶりだった。3日目、最終組でプレーした渋野を追った英国放映のスカイスポーツは「順番がきたら、あまりにも素早く打つので、スロープレーに慣れてしまっているカメラマンが彼女のショットを撮るのに間に合わなかったことが3回もあった」とこぼした。しかし、素早いプレーに慣れると、最終日は見事にその姿をとらえた。スロープレーが大きな問題となっている昨今、「プロはこうあるべき、というプレーだった」と絶賛された。そういう意味でも、本当に誇らしい勝利だった。 (全米ゴルフ記者協会会員)

 

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