【高校野球】誉・沢野プロ入り熱望! 「甲子園は就職活動」6日開幕戦に登場2019年8月6日 紙面から
第101回全国高校野球選手権が6日に甲子園球場で開幕する。前日の5日には同球場で開会式のリハーサルが行われ、49代表の選手らが入場行進などを予行演習した。春夏を通じた初出場で、6日の開幕試合で八戸学院光星(青森)と対戦する誉(愛知)は、リハーサル後に兵庫県西宮市内で最終調整。プロ注目の3番・沢野聖悠内野手(3年)はチームの初勝利とともに、プロ入りへのアピールを誓った。星稜(石川)の今秋ドラフト1位候補、奥川恭伸投手(3年)は2日連続でブルペン入りし、フォーム修正に取り組んだ。 いよいよ本番が迫ってきた。令和最初の甲子園大会の開幕試合。これ以上ない注目の舞台で、誰よりも輝きたい。最終調整を終えた誉の沢野が意気込みを話した。 「大事な試合。『初』がいっぱい付くので、初出場の誉がジャイキリ(ジャイアントキリング)を見せたい」。伝統校を連破してつかんだ甲子園での戦いに向け、大物食いを意味する造語をもじった。対する八戸学院光星は準優勝2度を誇る強豪。だが、誉も全国最多の188チームが出場した「戦国・愛知」をノーシードから勝ち抜いた自信がある。ひるむことはなさそうだ。 高校通算本塁打は26本。左打ちの強打の遊撃手として、複数のプロ球団がリストアップしている。プロを志望する沢野は、スカウトが視察に訪れる日を事前に矢幡真也監督(46)へ確認。「その日が試合だと思って調整している」とアピールに必死だ。矢幡監督は「(甲子園は)就職活動だと話している。ドラフトの順位を上げるのか、育成になるのか、育成もないのか。自分次第」とハッパを掛けている。 野球を本格的に始めたのは小学6年。低学年から始める選手も多い中では異例といえる。幼稚園の頃は名古屋グランパスのサッカースクールに通い、小学校でもサッカーをしていた。だが、父から「サッカーでは上には行けない」と言われ、野球に転向。中学時代は控え外野手だったものの、持ち前の高い身体能力と努力が実り、高校で素質が開花した。 この日のフリー打撃では、鳴尾浜臨海公園球場の右翼ネットを越える場外弾を放った。令和第1号本塁打の期待も懸かるが「できれば打ちたいけど、安打を2本、3本と打つ方がいい。チーム打撃を心掛ける」と勝利を最優先する考え。主砲のバットが火を吹けば、甲子園初勝利にも、プロ入りの夢にも近づく。 (麻生和男) ▼沢野聖悠(さわの・きよはる) 2002(平成14)年3月9日生まれ、名古屋市北区出身の17歳。183センチ、84キロ、右投げ左打ち。小学6年から名古屋北リトルで野球を始め、中学時代は瀬戸シニアでプレー。誉では1年秋から三塁、2年秋から遊撃のレギュラー。昨年12月に愛知県高校選抜の一員として豪州遠征に参加した。
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