国の特別天然記念物で絶滅危惧種のニホンライチョウの人工繁殖に取り組む富山市の動物園「富山市ファミリーパーク」で、ニホンライチョウのひな五羽がふ化して一カ月が経過した。体重も増加し、順調に育っている。

　現在はコマツナやニワトリのひな用の配合飼料などを一日三回に分けて与えており、体重は約一二六～一七〇グラムに成長。羽は羽軸のある幼羽（ようう）に生え替わり、体長一五センチでウズラほどの大きさとなった。二羽と三羽のグループに分けて飼育され、時々跳びはねたり、餌をつついたりと活発に動き回っている。

　五羽は、七月三～四日に母鳥が卵を抱えて温める「抱卵」でふ化。母鳥の抱卵によるふ化は、二〇一四年から始まった環境省の保護増殖事業で初めてだった。担当者は「まだ気は抜けない。引き続き見守っていきたい」と話している。　（柘原由紀）