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【高校野球】

令和初安打は八戸学院光星・下山の満塁弾

2019年8月7日 紙面から

八戸学院光星-誉 1回表八戸学院光星2死、左中間に満塁本塁打を放つ下山。捕手林山=甲子園球場で(黒田淳一撮影)

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◇全国高校野球選手権<第1日>

 令和最初の甲子園大会となる第101回全国高校野球選手権は、1936年(昭和11)年以来83年ぶりの開幕戦満塁本塁打で華々しく始まった。開幕戦に登場した3季連続出場の八戸学院光星(青森)は、6番の下山昂大内野手(3年)が1回に大会通算50本目の満塁本塁打で先制、9-0で誉(愛知)に打ち勝って2018年以来の初戦突破で令和の勝利の一番乗りとなった。

 八戸学院光星9-0誉

 八戸学院光星が11安打を放ち、快勝した。1回に下山の左中間満塁本塁打で先制。4回に1点を加えると、6、8回にも2点を奪い、突き放した。先発の後藤は5イニングを1安打、2番手の山田も粘りの投球を見せて、無失点リレー。誉は序盤から投手の制球が乱れた。打線は4安打に抑え込まれて、終盤の好機も得点できなかった。

     ◇

 甲子園の曇り空を切り裂いて令和甲子園の初ヒットは左翼フェンスを越えた。3四死球で2死満塁とした1回、八戸学院光星の下山が内角低めの直球を自身初めてのグランドスラム。「最初にホームランを打つのは原か近藤と思っていました。歴史に名が残ると思ったら、人生の中で一番うれしいです」。令和の初の打点も記録、チーム勝利も1号だ。

 1ストライクから直球に狙いを定めた。制球に苦しんでいた左腕の杉本の初球は内角を突いてきた。「思った以上に食い込んできたのでびっくりしてしまったので、相手は2球目も(同じ球で)来ると思った」。苦手な変化球は頭から消してフルスイングした。高校通算10本目は、開幕満塁弾としては83年ぶりの快挙。初陣の誉に先制パンチをくらわせた。

 周りの支えにも感謝の一撃だ。父・卓哉さん(51)は最高のアドバイザー。打撃の調子が落ちてくると、LINEで打撃練習の映像を父に送る。父が、保存してある良かったときと比べて修正部分を教えてくれる。「野球経験はありませんが、違いはわかります」と卓哉さん。この大会の直前にも“LINE指導”を受けた。その映像を撮るのが、自主練習パートナーの後輩三塁手の林田龍雅内野手(2年)。一塁側アルプス席で「本当に尊敬しています」と喜んだ。

 今春センバツは広陵に0-2で負けて初戦敗退した。昨夏、亡くなった同学年の吉川智之君にも届ける新チーム初勝利でもあった。「吉川もこの舞台に立ちたかったと思う。見てくれていたらうれしい」と下山。青森大会6試合で15本塁打、72得点の強打をいきなり発揮し、青森県勢の春夏通算60勝も飾った。令和最初の勝利に仲井宗基監督(49)は「八戸学院光星として歴史を刻みたかった。下山はパンチ力があるが、ああいう形で打つとは」とびっくり。2回戦の相手は智弁学園(奈良)。勝てば、八戸学院光星として春夏通算30勝に到達する。 (小原栄二)

 

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