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 長崎県佐世保市で4日に開催された「原爆写真展」の後援依頼を、市教育委員会が断っていたことがわかった。会場では核兵器廃絶の署名活動が計画されていたため、依頼を受けた市教委は「政治的中立性を保てない可能性がある」と判断したという。

 写真展は原水爆禁止佐世保協議会を中心とした主催団体が、核兵器禁止条約が国連で採択された2017年から毎年、市内で実施しており、今年で3回目。

 4日は商店街に隣接する公園で、被爆の実相を伝える写真パネル二十数枚を展示。あわせて核兵器禁止条約への参加をすべての国に求める「ヒバクシャ国際署名」を呼びかけた。

 市教委は主催団体の後援依頼に対し、写真展に一定の意義を認めながらも、こうした署名活動や、チラシにある「歓迎! 核兵器禁止条約」の表現が、内規で後援が認められない「政治的中立性を侵す恐れがある」ケースに当たると判断し、17年に続いて却下した。昨年は主催団体が後援を依頼しなかった。

 市教委は「核兵器をなくすという考え方を否定しているわけではない。ただ、特定の方向性に賛同を募る活動を教育委員会が支持、応援するわけにはいかない」とした。(原口晋也)