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【社会】

不自由展「再開を」 実行委、知事に公開質問状

 愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で「表現の不自由展・その後」の展示物撤去を求めた脅迫ファクスが届いたとして、県は六日、威力業務妨害容疑で東署に被害届を出し、受理されたと発表した。不自由展の実行委員会は同日、展示再開を求めた公開質問状を大村秀章知事宛てに提出した。

 県によるとファクスは「(元従軍慰安婦を象徴した)少女像を大至急撤去しろ。さもなくばガソリン携行缶を持っておじゃまする」との内容。二日午前九時すぎに県美術館に届いているのが見つかった。不自由展は三日、「テロ予告や脅迫ともとれる抗議があった」として公開中止となった。

 一方、不自由展実行委は質問状で「中止決定に納得していない」とし、判断の経緯や抗議への対応態勢をただした。実行委員の小倉利丸さん(67)は提出後の記者会見で「抗議は想定内。展示継続のためにやれることはたくさんあった」と県の対応に疑問を呈した。

 同展の出品作家を含む芸術祭の参加アーティスト約七十人も六日、連名で政治的介入と暴力、脅迫に抗議する声明を発表した。展示が中止されれば作品を見る機会が奪われ、作品を理解するための議論が閉ざされてしまうと指摘。一部政治家の介入やテロ予告などの脅迫を批判し「芸術祭の回復と継続」を求めた。

 また、芸術祭からの出展取り下げを申し出ていたイム・ミヌク氏とパク・チャンキョン氏の作品が六日、展示中止となった。両氏の作品の展示室は封鎖され「検閲に抗議する」と不自由展中止を批判した二人の声明文が張り出された。

 

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