絶対ヒロイン主義!その2 2013年のリアリティ
最近の漫画のヒロイン像をおうシリーズ第二弾。
(紹介がおいつかない作品の在庫整理ともゆう)
はじめに新人・荻野純の『γ -ガンマ-』(ジャンプ・コミックス)から。
主人公は地球防衛軍相談課の「北鹿姉妹」。
世界をまもるヒーローも、センターポジションがどうとか悩みおおく、
それを支援するものがいてこそ戦えるつて話。
妹キャラ「酉里(ゆり)」は引退したとはいえ、元最強のヒーロー。
土壇場で体をはる。
姉「海鵬(みゆき)」のシスコンぶりも見もの。
酉里の後遺症を心配してのことらしいが。
荻野のなめらかな曲線は、肉感的でないのに艶がある。
ひねつた設定はオリジナルとゆうよりマージナルだが、
特撮と美少女の相性よさをしめす点で、伊藤伸平『まりかセヴン』に通ずるか。
γ─ガンマ─ 1 (ジャンプコミックス) (2013/07/04) 荻野純 |
士貴智志/間宮夏生『ペルソナ×探偵NAOTO』(電撃コミックスNEXT)は、
アトラスのゲーム『ペルソナ4』のスピンオフ小説をコミカライズしたもの。
探偵王子こと「白鐘直斗」が難事件へいどむ。
モチロン、直斗はオンナノコ。
アイドルの「久慈川りせ」にさそわれ、グラビア撮影までこなす。
『P3』をちよろつと遊んだだけのボクに、続篇の三番煎じなど吟味できないが、
「水着回」に気合いが感じられればエヴリシングOK!
ペルソナシリーズの主人公はペルソナ能力をもつ。
深層心理の具現化であり、「もうひとりの自分」と称される。
ややこしい。
男か女かさえはつきりしないのに、別人格もないもんだ!
思春期女子なる厄介なイキモノに、ゴテゴテ意匠ほどこし、いつそう複雑怪奇なシロモノに。
相棒の「黒神創世」は、バイクになる可変式ロボット。
燃えるといえば燃えるが、わざわざ変形せずとも、移動手段は別に用意すればよい様な。
本作で感心するのは、キャリア22年の士貴智志が、
ゲームの三番煎じに、どうみても精根かたむけてること。
オリジナル至上主義ぢやない作家なのだろうし、そうゆう時代でもないのだろう。
ペルソナ×探偵NAOTO (1) (電撃コミックスNEXT) (2013/08/12) 士貴智志 |
つぎは地に足つけた、bomi/木瓜庵『しままん』(角川コミックス・エース)を。
中学2年生の「神湊晴(かみなと はれ)」が、東京から八丈島へひとり移住。
暑さと田舎がきらいなのに。
叔母の家をたづねると、おない年の従姉妹「赤崎まあゆ」がいたが、
ブアイソに鍵をわたされ、ヤギのうろつく山道をのぼれといわれる。
東京都とおもえぬボロ屋敷でのひとり暮しがはじまるも、
幽霊とまちがわれ、島の娘「名古浬(なご かいり)」におそわれたり。
ひたすら女子やパンツを愛でたいかたに、自信もつてオススメできる作品。
鍋を借りにまあゆの家へゆくと、ネコ耳つけておどつてた。
「まあにゃん誰ソレ!?」とゆうスマイル動画生放送のコメントで、背後の晴にきづく。
Webカメラは鏡より便利。
ジャージにきがえ玄関から再登場した、まあゆ。
カワイイ。
八丈島にネットアイドルがいたつていいぢやない!
離島の生活は不便だが、なにより大事なのはネット環境。
いまどきの女子は、ネットさえつながればどうにかなる。
しままん (1) (カドカワコミックス・エース) (2013/08/22) bomi |
大岩賢次/泉和良『エレGY』(星海社COMICS)は、ラノベ(的小説)の漫画化。
フリーゲーム製作者がヤケをおこし、ブログでパンツ姿の写真を募集する。
翌朝PCたちあげると、新着メールに添付ファイルが。
送信者のハンドルネームは「エレGY(エレジー)」。
当ブログでも募集かけようか迷うが、やはりこれは強気の賭けだろう。
フリーゲームでメシを食うのはむつかしい。
とどく督促状、とまる電気。
エレGYは返信ないのを、キモがられたと勘ちがい。
「死ね」とか「いまからリストカットする」とか痛いメールを連投。
だれでもよいから愛したい。
このまま自分を憎悪しつづけるよりマシだから。
大井町のマクドナルドで、ふたりだけのオフ会。
傷だらけのエレGYの手首におおきな絆創膏をはる。
インターネットの海は、すくなからぬ乙女を解放したのでは。
モテない男の幻想?
かもしれない。
なら2013年のリアリティがなんなのか、添付ファイルでおしえてくんない?
エレGY(1) (星海社COMICS) (2013/07/10) 大岩賢次 |
一方、前近代的メディアの落語に熱あげるJKも。
秋山はる『こたつやみかん』(アフタヌーンKC)第2巻。
部員3名の落研に、1年生の入部希望者が!
男目当てだけど。
こわいものしらずの「矢来梢」ちやん、先輩の噺をきいて意見する。
せつかく3人いるんだから、みんなでお芝居した方がわかりやすい。
落語全否定。
最強なるかな、思春期女子。
こたつやみかん(2) (アフタヌーンKC) (2013/08/23) 秋山はる |
『γ -ガンマ-』
大圓朝以来の伝統しりぞけ、妹愛に百合に男装の麗人、
人倫の根幹を華麗にスルーし、おのが慾望を全肯定。
その曲線美にボクらはひたすら、オリジナリティとリアリティをもとめる。
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