日本ハムの栗山英樹監督(58)が奇策に出る。6日のオリックス戦(札幌ドーム)に中1日の堀瑞樹投手(21)を2試合連続で先発起用する。自由な発想でV奪回を目指す。
指揮官の頭の中では常識は疑うべきものでしかない。日ごろから「固定観念に縛られず一番勝ちやすい形は何なのか。それをいつも考えている」という栗山監督だからこその戦術だ。日本ハムは今季、米大リーグで最も失点の多い1回を抑えるためにリリーフ投手が先発し短いイニングを投げる「オープナー」と呼ばれる戦術をモチーフに投手起用を進めている。
その申し子とも言える堀は4日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で先発し1イニング無失点。2日にはリリーフで1/3イニングを投げ、3日もベンチ入り。まさにフル回転の状況が続く。「どこで投げるにしても一人一人という気持ち。勝ち投手になりたいという気持ちもあるけど、いまはショートスターターとして必要としてもらっている」。6日も2番手にスムーズにつなぐ役割が求められる。
この日、栗山監督は北海道で拠点を置く栗山町の栗の樹ファームで地元の野球少年らと笑顔でアオダモを植樹。「選手を信じ切る。そのことを考えてやっていきたい」。大胆な戦術で2・5差で首位を走るソフトバンクを追う。 (土屋善文)