「番長」直伝の魔球で7連勝だ。DeNAのドラフト1位・上茶谷大河投手(22)が2013年に記録したヤクルト・小川に並ぶ新人7連勝に気合を入れた。
「初勝利から勝ち続けていれば連勝という意識は高まるが、勝ち負けがつかない試合が多かったので、連勝している感覚はない」
6日から始まる広島戦(マツダ)のカード初戦に先発するルーキーは、自身の記録更新を意識することはない。しかし6日の広島戦に勝利し、首位・巨人が中日に敗れれば、8月以降では前回優勝した1998年以来21年ぶりとなる単独首位に立つ大事な一戦。表情も自然と引き締まる。この大一番を前にした上茶谷の秘密兵器になりそうなのが、現役時代に「番長」と呼ばれ愛された三浦大輔投手コーチから伝授された超スローカーブだ。
7月30日のヤクルト戦(横浜)では、中村との対戦で88キロのカーブを1球投じ内野ゴロに打ち取り手応えを実感。ベンチに戻ると三浦コーチから「ええやん。欲を言えばもう少し低めに投げられればいいけどね」と98年の優勝に貢献した“本家”から及第点をもらった。
「勝てばチームの順位も入れ替わるかもしれないので、シーズン終盤のここからが大事だと思う。先発がゲームをつくれているので、自分が流れを断ち切らないようにしたい。4日の今永さんのようにピンチでも粘り強く投げたい」
巨人戦3連勝の立役者、今永の奮投に続けとばかりに持ち前の高い制球力、さらには超スローカーブも駆使した緩急で先手を打つ。 (石井智昭)