エグゼイド&ゲンム in IS   作:Momochoco
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ここから適性検査引っかかって学園に行く流れになります


1.マイティディメンションX

 季節は夏を過ぎ、花々が枯れていく秋へと変化している時期のことである。

 

 聖都大学附属病院の病室の一室に一人の男が体にチューブなど医療器具を取り付け、患者用のベッドに寝かされていた。

 顔色はどこか悪く、体全体から精気というものが抜け出ているようだった。

 

 その病魔に苦しんでいる男の名前は「宝生 永夢」。自身が現在入院している病院でかつて仮面ライダーエグゼイドとしてバグスター達と戦い、その後小児科医として勤務していた男であった。

 

 だが、今は見る影もなく病気でやせ細っていた。

 何故、永夢がこのような状態になっているのかそれは度重なるバグスターウイルスによる身体の負荷と、消滅者の復活に文字通り死ぬ覚悟で挑戦していたからだ。

 

 永夢はかつて仮面ライダーエグゼイドとして戦い多くの患者たちを救ってきた。しかし、バグスターウイルスの負荷は永夢の体に確実に蓄積していき、マイティノベルXクリア後に一気に体調を崩してしまっていた。そんな中でも永夢はバグスターのワクチン開発の最前線に立ち続けた。そして永夢や飛彩、大我や貴利矢が力を合わせたことで遂には消滅者の復活とバグスターウイルスの完全なる撲滅にしたのだった。

 ついにあの日雨の中で壇黎斗と話したことを実現させたのだ。

 

 しかし、これまで耐え抜いてきた永夢の体も遂には限界を迎え、今ではこうして絶対安静の状態になっている。

 

 病室で一人、永夢は外の景色眺めながらボーっとして思い馳せる。

 自分のやり残したことは全てやった。もう残りの命が少ないことは何となくだが分かる。これからどうしよう。もう医者として働けないのかな、そんなことを考えていた。

 

 すると病室をノックする音が聞こえる。永夢はそちらを向きノックした人物に対して返答する。

 

「入って良いですよ」

 

 アロハシャツに白い白衣をまとった男、仮面ライダーレーザーこと九条貴利矢が病室に入ってきた。

 

「永夢、診察の時間だぞ」

 

 そういいながら軽いテンションで診察の準備をする。貴利矢は永夢を心配させないよう、明るく気楽な態度をとっていることが永夢には分かった。

 

 貴利屋とはともにゲンムやバグスター、クロノスを相手に戦った盟友であり、最も信頼のおける相手だ。それにバグスターウィルスに関する知識も多く、結果、肉体が衰弱していくバグスターウイルス由来の病気にかかっている永夢の治療を担当している。

 

 永夢は上着を脱ぎベッドに腰を掛け、貴利矢の診察を受ける。

 診察が終わった貴理矢は結果を永夢に話す

 

「……永夢、自分でも気づいているだろうが症状が悪化している。分かっていると思うがもう長くはない。いつその時が訪れてもいいよう覚悟しとけ」

 

「……そうですね」

 

 貴利矢は嘘つきだが、この時ばかりは真剣な顔つきで語っていた。永夢も自分に残された時間がないことは分かる。残った時間何をするべきか永夢はまだ迷っていた。

 

「それと実は、今日は別件があるんだ」

「別件ですか?一体どんな?」

「それはこれだ」

 

 そう言うと貴理矢さんはゲンムコーポレーションのロゴが入ったアタッシュケースを永夢の前に置いた。

 

「これは?」

 

「……あの日、パラドとポッピーがいなくなる日の前に自分に渡してきたものだ。永夢に何かあったら渡してくれってな」

 

 パラドとポッピーはある日を境に急に姿を消した、バグスターウイルスの完全撲滅に成功した日に。永夢はバグスターである自分たちがいては新しいバグスターが生まれてくるのでは、と危惧して何も言わず姿を消したんだと考える。

 そんな彼らが自分に残した物。それは一体何なのだろう?

 

「貴利矢さん、開けてみていいですか」

「永夢の好きにしたらいいんじゃないか?何なら自分席外すけど」

「いえ、せっかくだし一緒に見ましょう」

 

 息をのむ様にしてゆっくりとアタッシュケースを開ける。そこには何も書かれていない白いガシャットと手紙が入っていた。貴理矢はガシャットを手に取り危険がないか観察していた。

 

「見たこともないガシャットだな。永夢、手紙の方には何て書いてる?」

 

 永夢は手紙を開くとそこには可愛らしい文字で書かれた便箋が入っていた。

 

「この字はポッピーだな……。それじゃ読みますね」

 

『永夢へ

 これを読んでいるってことはたぶん私とパラドがいなくなった後だと思います。

 私達はバグスターで、完全撲滅には私達の存在はいてはならないと思い姿を消しました。

 黎斗がこっそり作った二つのガシャット内の一つを使ってこことは別の世界に行きました。

 そしてこのガシャットは、黎斗が永夢に何かあったらこれを使ってみてと残した物です。

 最後に、みんなと一緒にいれたこと本当に楽しかったよ

 

 Ps.永夢との協力プレイ最高に心躍ったぜ by.パラド』

 

 手紙を読んだとき永夢は心の底から嬉しかった。パラドやポッピーは別の世界とはいえ生きている。気にしていたことが一つ解消される。

 

 だが、それよりも気になるのはガシャットの方だ。あの壇黎斗が自分のために残した物それは一体どのようなガシャットなのだろうか。過去の黎斗の行いから何が起こるかは予想できない。だが永夢のために作ったガシャットというのは気になる。これまでのガシャットは全て、クロノスを倒すためだったり、データ収集のためだったりと目的があってのことばかりだった。一体どんな能力を持つのか想像できない。

 

 迷う永夢に貴利矢が声をかけてくる。

 

「永夢どうするつもりだ、そのガシャットを」

 

永夢は考える。もしこれがドクターマイティXXのようなものだったなら自分を治療することが出来る。逆に通常のガッシャっトであれば体に負荷がかかるだけだ。だがどちらでもないと考える永夢はあることを思いつく。

 

「貴利矢さん、僕の最後のお願いです。みんなを、クロノスと戦った仲間をもう一度ここに集めてもらえませんか?」

 

「……そんな無茶……。いや、わかった。何とかしてやる!」

 

 そう言うと貴利矢は大急ぎで部屋を出ていく。きっと海外にいるニコちゃんや飛彩さんや大我さん達を読んで来るのだろう。

 

 

 

 

 

 貴利矢がいなくなった直後から丁度28時間後にあの時のメンバーは全員揃った。西馬ニコも急いで駆けつけてくれた。永夢も病院服ではなくいつもの白衣の格好に着替える。揃ったことで早速話を始める。

 

「……何で急にあたしらを呼んだ訳?もしかして結構ヤバいとか?」

「……永夢そうなのか?」

 

 ニコと大我がそろって心配そうに聞いてくる。それを無言で首を横に振り否定する。飛彩と貴利矢はただ黙って永夢の言葉に耳を傾けている

 

「まだ、あと数か月は大丈夫だと思います。だけど今回のことで皆さんと別れることになるかもしれない。だから最後にこうして会いたかったんです」

 

「最後とは、どういう意味だ小児科医?」

 

 永夢は昨日手に入れた白いガシャットをみんなに見せてこれからすることの説明をする

 

「これは黎斗さんが僕に最後に残したゲームです。これは起動するとこことは別の世界でゲームに挑戦することになるようなんです。だから、きっと戻ってこれない。僕は自分の命が尽きる前にこれに挑戦してみようと思います」

 

 永夢の意見に対して真っ向から反論したのは大我さんだった

 

「やめろ。あの壇黎斗がお前に充てて作ったガシャットなんて危険すぎる。もし試したいなら俺が最初に使う」

 

大我の言葉に反論する永夢。

 

「僕たちはこれまで多くのガシャットをクリアしてきました。そしてこれがクリアしていない最後のガシャットということになります。僕は天才ゲーマーとして彼のゲームに一生かけて付き合うことをあの日に誓いました。黎斗さんが僕を指名してきたのなら終わらせるのも僕がやりたいんです」

 

大我さんはため息を一つき、渋々受け入れる。そして荷物からあるものを取り出す。

 

「……そうかよ。なら勝手にしろ。だが……俺たちも手ぶらでお前を見送るわけにはいかないからな……餞別だ」

「俺からも託す有効に使え、小児科医」

「自分も一応、持ち出せる範囲の奴は持ち出してきた。必ずクリアしろよ」

「……はぁ、私からはこのキャップあげる。あんたのライバルは私だってこと忘れんなよ」

 

 皆から思い思いのガシャットを受け取る。貴利矢さんが気を利かしてくれて皆に用意させてくれたんだろう。涙を隠すためにニコちゃんから貰った帽子を深くかぶる永夢。

 用意していたゲーマドライバーを腰に巻き荷物を持つ。

 

「皆さんと会えて本当に良かったです。飛彩さん、小姫さんと末永く幸せに暮らしてください。大我さん、ニコちゃんあんまり喧嘩ばかりしないでね。貴利矢さん、今まで本当にお世話になりました」

 

「小児科医……いや、永夢お前と出会えたお陰で多くのことを学ばせてもらった。感謝する。」

「永夢、お前のおかげで過去の因縁から解放されたんだ。絶対にクリアしろよ」

「自分の一番の相棒は永夢、お前だ。だから絶対壇黎斗に勝てよ」

「……うぅ……絶対に、絶対にクリアしなさいよ!」

 

 最後の別れは済ませた。永夢はガシャットを起動する。

 

『マイティディメンションX』

 

ゲーマドライバーに差し込みアクチュエーションレバーを引くすると、永夢の体が光の粒子となって消えていく。そして意識を失ったのだった。

 

 

 

 

「…………きろ……永夢…………起きろ」

 

 自分の名前を呼ぶ声が聞こえる。よく聞いたことのある声だった。永夢は重たい瞼を開けるとそこには意外なあの男が立っていた

 

「久しぶりだな。宝条永夢。どうやら私が死ぬ前に残した最後のガシャットを使ってくれたようだな」

 

「黎斗さん!?それにここは?」

 

 辺りを見回すとどこかの公園のベンチに横になっていた。黎斗はベンチの背もたれに腰を掛け上から目線で話してくる。

 

「仕方ない、何が起こったのかこの私が一から説明してやろう」

 

「まず君が起動したガシャットはマイティディメンションX。これはいずれ君がガタが来るであろうことを見越して過去に遭遇したビルドの世界に新しく私と君を復活させるガシャットだった。だが、どういう訳かビルドの世界が消えたことで私たちは全く知らない世界に流れ着いてしまった」

 

「えっ!じゃあ、ここは異世界でまた別のライダーがいる可能性があるってことですか」

 

「まあ、近い存在はいるかもしれないな。私も今復活したところでよく知らない」

 

 黎斗の言葉に引っかかる永夢。復活したということはどの時点での黎斗なのか?

 

「あの、黎斗さんの記憶はどこまであるんですか?」

「全部だ。Ⅱの記憶も、君の前から消えた時のも全部だ」

 

 だったら完全な暴走はする可能性は低いと思う。低いと言えばなぜか自分の身長が低く感じて手が小さくなったように感じる。持っていたスマートフォンに顔を映すと高校生くらいの頃の自分が写っていた。

 黎斗の顔もよく見ると若く感じる。

 

「黎斗さん僕たちもしかして……」

「若返っているな。それもかなり。私に至ってはバグスターではなく生身の人間になっている。たぶんだがこの世界は過去の異世界で、バグスターウイルスも存在しないのだろう。だから、その世界の影響を受けて変化したのかもしれない」

 

 だとすれば歴史自体も違うはず。情報を集めないと。

 

「とりあえず情報取集に向かいましょう」

「ちょっと待て、宝条永夢ゥ!」

「な、何ですか黎斗さん?」

 

急に改まる黎斗に立ち止まる永夢。

 

「まずは食事をしたいのだが生憎、手持ちがなくてね。」

「はぁ、じゃあ通貨が一緒なら、僕財布持ってきているんで何か食べに行きましょう」

「その財布の輝きが、私の食欲を刺激してくれた…!!」

「馬鹿なこと言ってないで行きますよ」

 

 

こうして永夢と黎斗はISの世界に降り立った。果たして二人はこのゲーム無事にクリアすることが出来るのか

 

 

 

オリジナルガシャット

 

マイティディメンションX

黎斗が永夢のために残したガシャット。起動すると永夢とデータ上の黎斗をビルドの世界で健康な状態で復活させることが出来る。作った理由は復活した時に自分のゲームを遊んでくれる相手が欲しかったから。ただし、ビルドの世界が一度消えたことで復活先が変わり、ISの世界で復活してしまう。しかも、ISの世界の年代(2009)当時の姿に若返り、バグスターウイルスがいないためバグスターではなく人間として復活している。

 



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