ボクシングで豪華な兄弟スパーリングが行われた。兄でアマとして東京五輪金メダルを目指す日本代表候補の田中亮明(25)=中京学院大中京高教員=と、弟で日本人初のプロ世界5階級制覇を狙う3階級王者・田中恒成(24)=畑中=が5日、名古屋市内の畑中ジムで2ラウンドのスパーを公開。恒成が24日に臨むWBO世界フライ級V2戦の相手、同級1位ジョナサン・ゴンサレス(28)=プエルトリコ=が、亮明と同じ左構えのため実現した。
父・斉(ひとし)トレーナー(52)や元世界王者・畑中清詞会長(52)が見守る中、お互いが負けじと次々にストレートを放り込む激しいスパーを展開。五輪予選を控える兄は「恒成はテンポが速いし、僕の練習にもなった。調子は良さそうだし、試合では完勝してほしい」。弟も「ボクシングに取り組む姿勢が尊敬できる。一番大事なところ(東京五輪)で結果を残してくれると思う」とエール交換した。兄弟それぞれの目標へ、今後も切磋琢磨(せっさたくま)していく。
◆田中亮明(たなか・りょうめい)1993年10月13日、岐阜・多治見市生まれ。25歳。5歳から空手、12歳からボクシングを始める。岐阜・中京高(現中京学院大中京高)3年時は主将で、弟・恒成と国体ボクシング初の兄弟優勝(兄がフライ級、弟がライトフライ級)。駒大3年まで国体4連覇。16年度アマ最優秀選手賞を獲得も、リオ五輪出場は逃す。現在は母校の高校社会科教員。身長170センチの左ボクサーファイター。
◆田中恒成(たなか・こうせい)1995年6月15日、岐阜・多治見市生まれ。24歳。3歳から空手を始め、10歳でボクシング転向。岐阜・中京高(現中京学院大中京高)で全国4冠。高3時の2013年11月、B級(6回戦)でプロデビュー。15年5月、国内最速5戦目でWBO世界ミニマム級王座獲得。16年12月に同ライトフライ級王座を獲得し、2階級制覇。18年9月には同フライ級王座を奪取し、世界最速タイ12戦目での3階級制覇を達成。身長164センチの右ボクサーファイター。