愚策と白痴の二択では、安倍政権に対するマトモな批判が封殺される
そうなったとき、自民党は何と言うか?「災害対策だけは何とかしてやる」だ。どこまで我慢しなければならないのか? 自民党を甘やかす限り、マトモな野党が出てこない限り、無限大だ。 これまで「政治とは、よりマシな選択の連続だ」と、国民がニヒルを気取っていたツケなのだ。 自民党は劣悪である。しかし、野党はもっと劣悪である。そんな自民党を許してきているのだから。 昔の社会党にしても、今の枝野幸男にしても、政権を担う意思が無い。そんな政党が野党第一党でいたら、マトモな野党の邪魔になる。むしろ自民党にとっては、立憲民主党が野党第一党でいてくれるのは、大歓迎なのだ。 私とて、安倍内閣(創価学会傀儡)の政策には反対である。経済政策では金融緩和をもっと徹底しろと思うし、あんなゴミのような改憲案など実現可能性ゼロだから無視するが、本当に実現されたら困るので反対だ。 ところが、枝野以下野党の批判の頓珍漢なこと。景気回復の原動力である金融緩和をさっさとやめろと言い出すし、日本国憲法の条文を一字一句変えるなと主張する。正気か? 野党も本音では消費増税に賛成だから、わざと自民党を勝たせたのではと疑いたくなる。 愚策と白痴の二択である。これでは、安倍政権に対するマトモな批判が封殺される。そして正論が通ることはない。 これが、「安倍枝野共犯関係」である。冷戦で米ソが対立しながら、日本国内では自社両党が談合を繰り返していた。ソ連の回し者の社会党は論外だが、自民党にも闘争精神は無かった。 やっていることは同じだ。これのどこが、分断と対立なのか。日本には、共犯関係があるだけだ。
憲政史研究家 ’73年、香川県生まれ。’96年中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程を修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員として、’15年まで同大学で日本国憲法を教える。’12年、希望日本研究所所長を務める。同年、コンテンツ配信サービス「
倉山塾」を開講、翌年には「
チャンネルくらら」を開局し、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交について積極的に言論活動を展開。ベストセラーになった『
嘘だらけシリーズ』など著書多数