20年前は国勝訴、代理署名訴訟で 沖縄の基地問題

2015/12/3 2:02

沖縄県内の米軍基地を巡り、国と県は20年前の「代理署名訴訟」でも法廷闘争を繰り広げた。きっかけは1995年の米兵による少女暴行事件。反基地感情が高まる中、大田昌秀知事(当時)は民有地を米軍に使用させるため地主に代わって土地調書などに署名するのを拒否した。村山富市首相(同)は同年12月、知事に代わって署名するための訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。

国は代理署名は自治体の首長に国の事務を処理させる機関委任事務に当たり、「署名拒否は日米安保条約に基づく基地の提供義務を妨げ、公益に反する。法令違反だ」と主張した。

県は沖縄に米軍基地が集中する実情を指摘し、県民の生存権が侵害されたと強調。「基地の整理縮小を願う県民の利益に反する代理署名を拒否できる」と訴えた。

県は23人の証人を申請したが高裁支部は全て退け、3カ月余りで結審。96年3月の判決は国の主張にほぼ沿う形で「代理署名を拒否することは著しく公益を害する」として大田氏に代理署名を命じた。県は上告したが同年8月の最高裁判決は高裁支部判決を支持、国の勝訴が確定した。

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