@chablis777
シャブリ

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なつと 坂場のイッキュウさん2人は 結婚を報告するため北海道の十勝にやって来ました。
(坂場)この中で 君は育ったのか。
(なつ)うん。ねえ 思わず駆け出したくならない?
えっ?
私ね 今の父さんに連れられて初めて ここに来た時東京の焼け野原とは違う本当の野原を見て思わず駆け出したのを覚えてる。
お~!
タンポポが咲いててそれ見て 私 思わず食べたくなったの。
でも 本当は不安でしょうがなかったのこれからのことが。
♪~
えっ?
あ 不安なんだ…。
あっ! ねえ 糞とかあるから気を付けて!
うわっ…!
あ~あ…。
あっ…。
初めまして 坂場一久と申します。
よろしくお願いいたします。
♪~
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
♪「口にする度に泣けるほど憧れて砕かれて」
♪「消えかけた火を胸に抱きたどり着いたコタン」
(富士子)それで?(坂場)はい。
挨拶は それだけですか?
あっ ああ… あの…。
(剛男)富士子ちゃんこっちから せかさなくても…。
早く くつろいでもらいたいんだわ。早く 家族になってもらいたいのさ。
(照男)気が早いべさ ばあちゃん。
ばあちゃんなんて言わないでや他人の前で。
今 家族だって言ったばっかりだべ。
したから まだだべさ。
はい 分かりました。 はい…。
別に 無理して分からなくていいから。
自分のタイミングでいいんだから。
(夕見子)みんな知ってるんだからさもう イッキュウさんがここに 何しに来たかを。
形ばかりのことだべさ。
結婚は 形が大事です。ちょ… 結婚って先に答え言っちゃったんでないの。あっ…。
あの 私 坂場一久はなつさんと結婚したいと思っております。
どうか お許し下さい。
あっ…。
お嬢さんを 僕に下さい!
えっ… そうなの? なつ。
えっ?(砂良)形だけよ。
あ… はい。 そういうこと。
そうですか…。 分かりました。
ふつつかな娘ですがどうか よろしくお願いいたします。
ああ… はい。
母さん ありがとう。
はい これで済んだね。
したけど 今のは母親の言うことかい?普通は父親でないのか?
(悠吉)そだな。(菊介)何か おかしいと思ったんだ。
ハハハハ…。
したら ほら あんたからも何か言って。
ああ…。
あの 坂場さん…ふつつかな娘ですが なつをどうか よろしくお願いいたします。
(坂場)はい。て ほら同じことしか言えんべさ。
父さん ありがとう。
おめでとう なつ。
(富士子)じいちゃんからも何か言うことないの?
(泰樹)なつを 本当に幸せにできるのか?
なして すぐに返事できねえ!
じいちゃん。どしたの?
無理に違うことを言わなくていんですよ。
幸せにします きっと…。
きっとって何じゃ?
あっ…。まあ 先のことは誰にも分からんでしょ。
分からんから約束しとるんじゃ。
その きっとが引っ掛かる。
いや あの 実は堂々と言えない事情がありまして…。
ねえ それは まだいいから。
事情って何じゃ?
会社を辞めたんです。
(一同)えっ?
今は無職なんです。
男にとって結婚は けじめじゃ。
仕事もなくて けじめがつけられるか。
働かないと言ってるわけではないから。
そうだわ。何か考えがあって辞めたんでしょ。 ねえ。
いえ 仕事に失敗して責任を取っただけです。
クビに近いんでないの? それは。富士子ちゃん。
(砂良)仕事って あの映画?あ… うん。
帯広に見に行ったわ 地平と一緒に。
どうだった?
もう 途中で地平が…。
何か 難しかったみたいで。
ちー君 おばちゃんの映画 面白かった?
(地平)つまんなかった。地平!
いいのさ 正直で いいの…。
私も見たけど私は面白かったわ なつ姉ちゃん。
明美ちゃんみたいな大学生とかがたくさん見てくれたら いかったんだけど。
会社に大赤字を出させてしまって…。
大丈夫だって 仕事なんか。
すぐ見つかるって。 ね イッキュウさん。
はあ…。そだ 東大出てんだもな。
そろばんだって できんだべ?バカ! そろばんどこの話じゃねえべや。
ほら 坂場君は イッキュウさんって呼ばれてるっていうべさ。ちょうどいい ここでひと休みだ。
したけど 坂場さんのキュウは永久の久でないの?
そういうこと言わないのさ。
(泰樹)休んでる場合か。
仕事見つけて ここに来るのが筋だべ。
待って じいちゃん!もう どうでもいいしょやそったらことは!
この人は なつが選んだ人ですよ!結婚望んでるのはほかでもない なつだべさ!なつの選んだ結婚相手に文句があるっていうんですか?なつの見る目に狂いはないと私は信じてます!
したって お義父さんの孫でないですか!
うう…。
(夕見子)よし よく言った 父さん。
私も 父さんに賛成!
俺もだ。咲太郎さんも賛成してくれてるんだべ?
うん。もちろん 私も大賛成。
僕も!(笑い声)
何さ… 一人だけ いいこと言っちゃって。すまん。
そこで謝るんかい ハハハハハ…。
(悠吉)おやっさん。
じいちゃん… お願いします。
なつさんを 必ず幸せにします。
約束します。
初めから そう言やいいべや。
はい…!
ありがとう じいちゃん!
♪~
さっきの父さん かっこよかったわ!
堂々とじいちゃんにものが言えるようになったんだね。
そりゃ 剛男さんは 今や音問別農協の専務だからな。
貫禄もつくべや。
農協に 夕見子ちゃんも就職したべさ。
夕見子ちゃんに恥ずかしいとこは見せられないもな。
そうか。 今は夕見の上司だもんね。
富士子ちゃんには 相変わらず弱いけどな。
(笑い声)
(照男)なつ。うん?夕見子は 今すごいこと考えてんだ 農協で。すごいこと?
うん。視察旅行とかって 外国行ってたんだ。
外国?組合長に誘われてな。
組合長? 今も田辺さん?(照男)うん。
へえ~ あの田辺さんに信頼されてるんだ。
さすが夕見だね ハハ…。
いいですね 皆さんの暮らしは。
わしらの暮らしが いんかい?何がいんだ?
生産の美をいくらでも追求できるところです。
何のび?生産。 美って 美しいってことでしょ。
この暮らしこそが 人間の美徳ですよ。
(菊介)したけど 牛飼いはどんなに もうからなくても誰にも文句言えねえしまあ ただ牛飼いだからしかたなくやってるだけだわ。
それでは ダメだと思いますね。は?
いや しかたなくやってるなんてそんなこと言ったら 牛が泣きますよ。
ちょっと。都会から来て 何言ってんだ? あんたは。
牛飼いのことは 何も分からんべさ。やめれや。
確かに 人間は食うために働く生きるために牛飼いをするのは正しいことだと思います。
しかし そこに生産することの喜びを見いだすことができるから牛飼いをすることで人に喜びを与えることができるからこそ牛飼いに誇りを持てるんじゃありませんか?うん… どんな仕事でも人を感動させることはできます。農業にも酪農にもそういう精神は必要じゃないでしょうか?
おい 何してる? 早く仕事をしろ。
あっ… おい。
なっちゃん ごめん よく分からんわ。
♪~
(弥市郎)熊の肉だ。(照男)坂場さん熊なんてめったに食えるもんじゃないですよ。
はい。
(砂良)熊をとろうなんてよく思ったね 父さんが。
(弥市郎)結婚と聞いて無性に 熊が撃ちたくなった。
(銃声)
それって… 俺のことですか?
何だ そういうことかい。納得すんのかい。
わしにも その銃貸せや。撃ちたいやつがおる。
じいちゃん。
ハハハ… 冗談だべ。
あっ… ハハハハハハ…。
ハハハハ ハ…。
(富士子)さ 食べて。はい 頂きます。
あ… そうだ 夕見照男兄ちゃんから聞いたんだけど農協で 何か すごいこと考えてんだって?
ああ そう。 バターだわ。
バター?なつが大好きだった あのバターだわ。
じいちゃんのバター?
うん…。
(夕見子)そのバターを農協で作ろうとしてんのさ。
おじいさんのバターが出来たよ!
えっ じいちゃんのバターを 農協で!?うん。
十勝の農協が集まって乳製品の工場を作ろうとしてるのさ。
いわば 酪農家自らが設立する乳業メーカーだな。
へえ~ 農協が 今度は乳業メーカーまでやろうとしてんの!
なつよ 君の大好きなふるさとにも新しい風が吹いている。


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