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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】番記者の勝負メシにチーム愛

2019年8月4日 紙面から

 全国を渡り歩く野球記者には、各球場に「定食」がある。神宮ならカルビ丼。本紙島田サブキャップと中日新聞A記者が、2日連続で食べていた。猛暑に負けじとスタミナ食かと思いきや首を振る。そう。前の日に勝ったから。勝負するのは選手であって、記者ではない。わかってはいるが、番記者なりのささやかなチーム愛なのだ。

 1002試合投げた岩瀬仁紀さんは神宮での試合前に、必ず出前で頼む勝負メシがあった。

 「ブームになる前から僕は食べてたんだよ。こっちが早かったんだから」。試合でも3連投。出前も3連投。鉄腕の胃袋を満たし続けたのは「みろく庵」の豚キムチうどんだ。これを聞いて、ピンときたあなたは鋭い。将棋会館に近く、対局時に棋士も出前を頼む。2017年に藤井聡太七段が公式戦29連勝の新記録を打ち立てた日に食べたことが知られるや、とんでもない騒ぎに発展した。岩瀬さんや藤井七段に限らず、歴代の名選手や棋士に愛された「みろく庵」だが、惜しまれつつ3月末にのれんを下ろした。

 だが、店じまいしていなくても、今の中日選手に「みろく庵」は頼めない。専属の栄養士が本拠地や遠征先での食事を管理し、サポートしているからだ。例えば試合前のメニューでいえば、ラーメン、焼きそば、沖縄そばが消えた。麺類はうどんとそばの二択になり、玄米が推奨されている。きっとパフォーマンス向上のためには、いいことなのだと思う。

 コレステロールだ尿酸値だ体脂肪だと最近、よく言われるよなあ…。でも正しいことほど、聞きたくないんだよなあ…。だって人間だもの。厳しい登板に備え、岩瀬さんが毎日、豚キムチうどんをすすったように、島田とA記者は胸焼けしようが数値が上がろうが、カルビ丼の3連投が決定した。それが勝負メシ。それが人間だもの。

 (渋谷真)

 

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