まったくもって、相手に不足なしだ。初戦で優勝候補の一角といわれる東海大相模との対戦が決まった近江。2年連続出場のチームを攻守でけん引している有馬諒主将(3年)は静かな闘志を燃やした。
「僕らは、どんなに強いチームが相手でも勝てるような練習を彦根のグラウンドでやってきた。自分たちの力を出し切ることにこだわっていけば、きっといい結果につながっていくと思います」
強気な言葉の裏に、これまでの道のりから生まれた自信が宿る。昨夏は初戦の智弁和歌山戦に7-3で完勝し、ベスト8まで進出。今春は智弁学園(奈良)や神戸国際大付(兵庫)など強豪を撃破し、近畿王者に輝いた。だからこそ、春の関東王者が初戦の相手であっても、有馬は気持ちで屈しない。
「挑戦者の気持ちでやるべきことをやろう、と士気を高めたい」。そんな主将の言葉を聞いた多賀章仁監督(59)は「相模さんに勝てば勢いが出る。燃えるものがあるでしょう」と大きな信頼を寄せていた。 (川越亮太)