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ウラ話

タイトルバック ウラ話

全編アニメーションのタイトルバックは、連続テレビ小説では初の試み。若手アニメーターの刈谷仁美さんとベテランアニメーターの舘野仁美さんが中心となって、90秒の作品を作り上げました。放送開始から1か月がたちましたが、タイトルバックの注目ポイントを改めてご紹介します。

北海道の景色からイメージを膨らませて…

豊かな自然の中で育った少女が動物たちと出会い、冒険の旅へと出ていきます。

この少女はなつ!?

しらかばの森や野の花広がる草原、壮大な山々は、舘野さんと刈谷さんが「なつぞら」の北海道・十勝ロケを見学し、そこで実際に見た風景を参考に描いたもの。そこに、リスやキツネ、クマなどの北海道ゆかりの生き物たちもやってきます。これは動物好きの刈谷さんのアイデア。北海道の地で感じた“メルヘン”な雰囲気を表現しています。

さらに刈谷さんは、主題歌「優しいあの子」の持つ世界観を崩さないよう、歌詞や曲とのバランスを意識しながら、イメージを膨らませていきました。

★「雲の影」にも注目

刈谷さん「十勝の丘から広々とした景色を眺めたとき、広い草原に雲の影が落ちているのがすごく印象的でした。その風景をそのままタイトルバックに生かしたいと思い、このカットができました」

この少女はなつ!?

しらかばの森から冒険が始まり、川を渡り、森を抜け、山々が広がる草原へと歩いてきた少女たち。この少女が“なつ”なのかどうか気になっている人も多いと思います。実はこの少女…皆さんご想像のとおり、主人公のなつをイメージして描かれたキャラクターです。しかし、劇中のなつそのものを描いているわけではないんです。

★子どもらしい動き方にも注目

子どもらしさを表現するために足を伸ばして座ったり、鳥を捕まえようとして尻もちをついたりと、あえてたどたどしい動きにしています。少し頼りなくて思わず支えてあげたくなるような様子を表現しました。そんな少女と動き回る動物たち。いろいろな動物が一緒に動くシーンは、別々の動きを描くのにとても手間がかかったそう。そこも注目ポイントです。

↑こちら14.6秒のシーンに、306枚の原画を描いています。

時間経過を“色”で表現

初めは青く明るかった空も、雲の色が変わり、次第に夕焼け空へと変化していきます。

★少女の服の色の変化

時間経過を表現するのは、背景や空の色を変えるだけではありません。少女の肌や服の色、動物たちの毛の色も変わっています。例えば、少女の洋服は赤色ですが、朝と夕方では色が少し違います。日の当たり方による見え方の違いを表現しています。

題字もひとつずつ動かしていく

最初に出てくる「なつぞら」という題字のデザインにはこだわりがありました。レタリング(文字デザイン)における最高の芸術的表現であるカリグラフィ(飾り文字)を使う事は舘野さんが提案しました。まず刈谷さんにカリグラフィの技法書を読んでもらい、アニメーターの二木真希子さんの絵本からは植物の描き方を学び、ディズニー映画の劇中に登場するカリグラフィからもエッセンスを得ています。「つ」の字に使われた花は北海道原産である野ばらのハマナスをデザイン化しています。めざしたのは、メルヘンチックに留まらない大人可愛いカリグラフィでした。何度もアイディアを持ち寄り、討議と描き直しを重ねて最終的に刈谷さんがまとめあげたのがこのなつぞらのタイトル文字なのです。

この文字は一文字、一文字がそれぞれ別のタイミングで動くように作画で描かれています。
「連続テレビ小説」の文字も、刈谷さんがデザインした手描き文字です。

キャラクターの細かな設定

90秒の動画で描く枚数は、通常のテレビ番組では500枚程度が一般的ですが、今回のタイトルバックに使ったのは2100枚ほど。これは劇場版のアニメーション映画と同じくらいの枚数だそうです。アニメーションに登場するキャラクターたちの動きひとつひとつに注目してみると、新しい発見があるかもしれませんね。

★キャラクター表

多人数で作画することの多いアニメーション制作では、キャラクターの頭身や造形を統一するためにキャラクター設定を作成します。様々な表情やポーズを描くことでキャラクターの性格もスタッフ間で共有します。多くのアニメーターが様々な場面を描くわけですから、360度回転させても上から見てもひっくり返しても描けるように設定しなければなりません。何もないところから一人のキャラクターを誕生させるわけですから、開けた口の中や足の裏から爪の先まで設定が必要です。どういった表情で笑うのか、驚くのか。どんなポーズで座るのか動くのか。そうやって細かに設定されていくことでキャラクターには魂が宿っていくのです。

制作者より

舘野仁美(たての・ひとみ)さん

アニメーションは、単に絵を1枚1枚描いていくだけではなく、それを動くように描く難しさがあります。じゅうたんを織るように、長い時間をかけて少しずつ少しずつ完成するものです。今後、ドラマの中でもアニメーションを作る場面が出てきます。そういった工程を知って、このタイトルバックを見てみると、また違った楽しみ方ができるかもしれません。
また、私たちはタイトルバックのほかにも劇中に出てくるアニメーションの制作にも関わらせていただいています。このドラマを見て、「アニメーターになりたい」と思う若い方がきっと増えると思うので、責任の重さをとても感じています。そういう方たちが失望しない作品になればと願っております。

刈谷仁美(かりや・ひとみ)さん

毎日放送されるものなので、毎日飲んでも飽きないおみそ汁のようにほっとできるタイトルバックにしたいと思って作りました。このタイトルバックや劇中に登場してくるアニメーションを見て、少しでも「アニメーションって面白いな」とか「自分も作ってみたいな」と思っていただけたらうれしいです。

ぬり絵ダウンロード

刈谷仁美さんによる『なつぞら』台本表紙イラストとタイトルバックイラストのぬり絵です。
好きな色で『なつぞら』の世界を描いてみてくださいね。

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