分娩をやめるということは産科を閉じるということです(市長日記)
7月27日(土)、第2回目のささやま医療センターの産科充実に向けての検討会を行いました。
ささやま医療センターの産科医田中先生のお話を伺いました。
この4月から産科医が2人になって、安全な分娩が続けられないことを強調されました。
昨年10月からささやま医療センターに赴任されていますが、その時から分娩を続けられるのか見極めたかったとされ、田中先生は遅くとも本年1月頃には、新年度は分娩を休止する方向性を出されています。
新しい協定が昨年7月14日からであるのに、早々と分娩休止を出されていることは、協定を遵守して産科を守ろうという気があったのかと思わざるを得ず、残念で遺憾です。
他に多くの委員から
「医師を増やせないのか」「夜間のアルバイトの医師を頼めないのか」「助産師の体制はどうか」「丹波篠山市は広く、丹波医療センターには集約できない」「市民が失望する」「若い人の定着に大きなマイナス」「協定締結からほとんど時間が経っていないのに休止は理解されない」「池田先生をなぜ再雇用されなかったのか」
等の意見が出されました。
それでも医師2人では安全な分娩ができない。
そしてなにも産科を休止するのではない、分娩を休止するのです…と言われました。
しかし、ささやま医療センターの産科を守り通していただいた池田先生が言われた言葉です。
「分娩をやめるということは、産科を閉じるということです」
理事長が交代され、池田先生が退職されました。
兵庫医大にも、ささやま医療センターの現場の先生たちにも産科を守ろうという方はおられなくなってしまったのでしょうか。
兵庫医科大学は「私」の事業者なのだから、新しい理事長になって経営を重視すること、つまり採算性の低い産科をやめようとされることもやむを得ないというような考え方も出されました。
しかし私は、それは違うと思います。
約20年前、地域医療を守り続けた国立篠山病院が移譲先を探した時、兵庫医大と決まったのは「私」であっても大学という教育機関であり、より信用がおけると考えられたからです。
移譲を受けた以上、地域医療を守る責任も受け継いで頂いているはずだと思うのです。