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【社会】

女子学生「自白強要、悔しい」 顔似てた、誤認逮捕 愛媛県警が謝罪

 愛媛県警が七月、窃盗容疑で女子大学生を誤認逮捕するミスがあり、大学生の代理人弁護士が一日、「執拗(しつよう)に自白を強要された。本当に悔しい」という女子大学生の手記を発表した。県警の松下整(ひとし)本部長は同日、共同通信の取材に「結論ありきの捜査と言われても仕方がない」と改めて謝罪。補償などは「要望を踏まえ誠実に対応する」とした。

 県警によると一月九日、松山市でタクシーの車内から約五万四千円とセカンドバッグなど五点(時価計約二万二千円相当)を盗んだとして、七月八日に窃盗の疑いで女子大生を逮捕。二日後に釈放され、再捜査で別の若い女が容疑者として浮上した。ドライブレコーダーの映像に写った犯人と顔が似ていたため、逮捕してしまったとしている。

 手記などによると、女子大生は一貫して容疑を否認。逮捕前に任意の取り調べを二回受け、県警から「タクシーに乗った記憶はないの? 二重人格?」「就職も決まってるなら大ごとにしたくないよね?」「今の状況は自分が認めないから」などと言われた。

 一日に松山市で記者会見した代理人弁護士は「取り調べの際に大声を上げるなど威圧的な言動もあった。自白を取るための捜査に怒りを覚えた。再発防止を徹底してほしい」と話した。

 松下本部長は「捜査員たちはそんなに重大事件だとは思っておらず、任意の調べで簡単に認めると思ったはずだ」と指摘。女子大生に否認され、逮捕に踏み切るのであれば「(証拠を)多角的に検討してほしかった」とした。

 

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