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2019年8月3日 紙面から
ヤクルト-中日 9回表1死三塁、京田が一前に勝ち越しスクイズを決める。捕手中村(中嶋大撮影)=神宮球場で
執念のスクイズで1点をもぎ取った。中日は2日のヤクルト戦(神宮)、同点の9回1死三塁から京田陽太内野手(25)が勝ち越しスクイズに成功。そのまま1点差で逃げ切った。今季は得点力不足に苦しんできたが、与田剛監督(53)の采配がズバリ。この日で自力優勝の可能性も再び復活。真夏の逆襲に向けて、分岐点になるかもしれない1勝だ。
絶対に勝つ。ナインの、そしてベンチの思いが、大きな決勝点をもたらした。同点で迎えた9回1死三塁、京田が執念のスクイズを決めた。
「サインが出たので、練習通りにやれた。特に緊張はなかったです」と京田。1ストライクからの2球目を一塁側に転がした。何が何でも決めてやる。そんな思いだったのだろう。ヤクルト・マクガフの真ん中ストレートに対して、後ろ脚である左膝を地面につけ、どっしりと安定した形でバットに当てた。本当に大事に、そして必死に決めにいった結果、絶妙なスクイズとなった。
見事だったのは京田だけではない。前の打者の亀沢も、いいバントを決めていた。先頭・阿部が右前打で出塁すると、代打で登場。けん制悪送球で無死二塁となると、1つファウルで失敗した後の2球目を一塁前へ転がし、走者を進めていた。
「死ぬ気でやりました。球、すごい速かったけど、とにかく転がそうと。成功して良かった。勝って良かった」。必死の思いをこう告白した亀沢だが、打席では冷静でもあった。「マクガフに捕らすより、あいつ(村上)に捕らした方がいい」。守備に難がある村上に捕らした方が成功率が上がる。そう判断し、内角高め151キロのストレートに対して、体をぶつけるように一塁側への角度をつくり、狙い通りに転がしていた。
「阿部のスタートも良かったし、京田もよく決めてくれた。亀沢も1球失敗した後、難しかったと思うが、よくやってくれた。こういう展開になって、勝たせるためにそういう作戦となったが、選手がよく決めてくれた」。与田監督も、目を細めた。序盤に本塁打3本で4点取りながら、柳が追いつかれ苦しい展開だったが、土壇場の9回、選手が次々と必死な姿を見せ、執念の決勝点をもぎ取った。
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