Ghost like girlfriend

TestifyColumn

2018.7.18.PM26:44

「WITNESS」から収録曲「(want) like (lover)」の先行配信が始まった。
聴いてもらえると伝わると思うけれど、今まで何気に作ってこなかった曲調でとても気に入っている。
凄く大人っぽいというか、冷えているけど明らかに熱い温度がある感じ。
頭悪いなと思われる喩えで申し訳ない、思ってくれても良いから伝わってくれ。

成熟してるように思える雰囲気のメロとサウンドながら、歌っている内容は恥ずかしい程に未熟なものだ。
かなり個人的な、尚且つあまり良く思われないであろう事をこれから書いていくので、純粋に楽曲を楽しみたい方はここでページを閉じてもらっても構わない。

普段曲作りをする時、詞曲・アレンジ共にワンコーラスだけ作る。
そして暮らしの中のふとした拍子に頭をよぎったり、続きを聴いてみたいと自分で思えたものから優先的に完成させている。

「(want) like (lover)」は去年の6月に、その段階では「need」という仮タイトルで作られた。
当時のマイブームが歌謡曲を聴く事であり、そしてその歌謡曲やたまたま知って気に入った楽曲のコードが「B♭M7」から始まるものが多かった。
以上の事から「歌謡曲っぽいもの」「B♭M7を使ったもの」という条件の下で作ろうという、何とも安直な発想から元々は作っていった。

情景を描く・もしくは浮かぶというのが歌謡曲っぽさだという考えから、当時の自分の心模様とは離れた部分で何気なくサラッと歌詞を書いた。
我ながら綺麗な歌詞が書けたと思えて、その時は只満足げになっただけだった。

それから少しして、久方ぶりに彼女が出来た。
夜な夜な電話をしたり、高校以来のディズニーランドへ行ったり、恋愛といえばみたいな事も珍しくやった。
3〜4年ぶりに誰かと付き合ったし、不幸せな方が曲が書けると誰しもが言う事から「曲が書けなくなったらどうしようか」と考えたりしていたけれど、全く滞る事なく書けていた。

只、付き合って間もなくして直ぐに些細な事が気になりだした。
とにかく優しい人だった事から、小さな事には目を瞑ってでも大事にしようと決めていた。
だけど小さな、色んな理解し難い事が積み重なっていく。
「何でそんな事が出来るのか」という様々な疑問が頭を離れなくなった。

友人にも何人かに相談したりした。
気にしすぎだと言う人も居れば、自分より憤る人も居た。

長く誰かと付き合っている人に秘訣を聞けば、とにかく色々を受け入れあっているらしい。
要は何かあっても、折り合いをつけて許せる心と頭が皆に備わっていた。
自分にはそれが無いと思ってしまった。

思ってしまったものの、後付けでも良いから手に入れようと自分なりに頑張っていた。
ある日歌詞を書いている時に何度か話しかけられた。
本当に小さくて酷い事だと自分でも重々分かっているけど、その瞬間にそれまでの些細な積み重なりが何かに変わって、この人を暮らしていこうという気持ちや自信が無くなった。
それからしばらくして連絡や、会う事を避けた。
気持ちはもう変わらないと肌感覚で分かっていながらも、考える時間が欲しかった。

言わないでくれていただけで、彼女にも不満があったかもしれない。
不満を言い合ったり受け入れあう機会を自分から奪う形を取ってしまった。
さっきの歌詞の話だって、「察してくれ」と雰囲気をまとうくらいなら先に言えば済んでいた話だ。
どうすれば良かったか分からなかった事も未だにあるけれど、こうすれば良かったんじゃないかという考えは今になって幾つか浮かぶ。

今まで何人かの人と付き合って、長く付き合っても結局自分から勝手に根を上げて身勝手に身を引く事がほとんどだった。
そしてもう誰とも合わないと思う度に、相手だって何かを抱えていたかもしれない事、それでも一緒に過ごそうと頑張ってくれていた事を思い知るのだった。

幸か不幸か、そういう気持ちの始まりを数ヶ月前の自分が何気なく歌詞にしていた。
コミュニケーションを避けた数日後から、その約1ヶ月後のレコーディング当日まで毎日歌詞を書き直した。
録り終えたその数日後に別れを告げた。

正直に楽曲の背景を説明するとこうなる。
最低と思われても、その通りだと自分でも思ってしまう。
不快に思われた方が居たら申し訳ない。
例の如く楽曲を聴く際に頭に入れて聴いてもらっても良いし、全くの無視をした上で聴いてもらっても構わない。

人をどうすれば好きになるか、どうすれば好きであり続けられるのかが分からないし、分かっても今はまだ出来そうにない。
幸せであっても曲が生まれる時は生まれるから、いつか誰かと幸せになりたいけど、もうなってはいけない気もする。

聴くタイミングによって思う事もかなり違ってくるだろうから、アルバムの中でもこの楽曲が一番どう受け取ってもらえるのかが分からない。
只、身勝手な願いとしては2つある。

自分も今は同じだと思った人は俺と同じく、いつか人を大切に出来るようにと暮らして欲しい。
今は分からないと思った人は、きっとそれは誰かを大切に出来ている証拠だから、自分を心から誇って欲しい。

2018.7.19.AM4:29

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