来年1月16日に3rd mini album「WINDNESS」をリリースする。
「WEAKNESS」と「WITNESS」のリリース間隔が1年と2ヶ月だったのに対して、前作と今作の間隔はおおよそ半年。
「もうなのか」という気持ちもなくはないんだけど、それ以上に「半年も空いてしまった」「もっと作品を出したい」という気持ちの方が断然強い。
「WEAKNESS」「WITNESS」と来て「WINDNESS」。
そしてそれら3枚を引っさげて行う初ライブのタイトルが「WWW」。
我ながら良く出来ていると思う。
先日書いた通りWWWでのワンマンはGhost like girlfriendを始める前から抱いていた長年の夢で、それをこんな綺麗な流れで叶えると言われれば、2年前から前もって計画していたんじゃないかと思わず自分ですら自分を疑ってしまう。
だけど実際のところは全くそんな事はなくて。
「WITNESS」は元々「DARKLESS」というタイトルに、何なら「WEAKNESS」は「Virgin」というタイトルにしようとそれぞれレコーディング時に思っていた。
要はそれくらいにはこうなってくれる事を自分でも予想してなかった。
ここでも以前書いた通り、前作「WITNESS」の収録曲は一瞬で決まった。
それはスタッフさんが自分の好きなようにして良いと言ってくれていたのもあるけど、1stを作り終えてから1年もの間、次作について考えながら楽曲を作っていたから、選曲会議をする頃には自分の中でアルバム3枚分、曲順もタイトルも決めてある状態で出来ていて、「WITNESS」はその3枚のうちの1枚目だったからというのが一番大きい。
だから「WITNESS」を録っていた時も、完成してから少ししてからもずっと、前もって企てていた3枚のうちの、今度は2枚目をそのまま録ろうと思っていたけど、結論から言うと「WINDNESS」はストックを使わずに全曲書き下ろした。
1年以上の歳月をかけたのもあって「WITNESS」完成の達成感は「WEAKNESS」のそれより、「天井にたどり着いてしまった」という気持ちと「これから先、曲を作る事は出来るのか」という気持ちがその後2ヶ月間の生活を占める程には凄まじかった。
それに加えて、色んな他人と自分とを比べてしまって、思い描いていたように上手くいかない状況にどうしようか悩んでいたのもあって、実際長らく曲が出来なかった。
他人の歩幅を羨ましがっているうちに歩き方すら忘れかけるという何とも本末転倒な暮らしの中で、平成が翌年に終わる事が正式に決まった。
「WITNESS」の次の作品はフルアルバムにしようと決めていたけど、人生で初めて作るフルアルバムだから特別な作品になるのは目に見えていたし、せっかくなら終焉じゃなくて次の時代の始まりに出したいという気持ちが一瞬で芽生えた。
かと言って「WITNESS」を初夏に出して、翌年の5月以降とまた長い間隔を開けてしまうのは絶対に避けたかった。
そういう事をぼんやり考えていた頃、突然自分の音楽を聴いてくれる人が増え始めた。
どうして急に増え始めたのか未だに理由がはっきり分からなかったり、それ故に自分が起こしているという感覚がない事から数字が増えていく状況に対して嬉しい反面、実感がまるで湧いてこない部分もあった。
只、知ってもらえる事に伴って、貰える言葉も増えた。
送り主が知らない人だろうと、自分に向けて送ってくれた言葉は「これは自分の事だな」とはっきり自覚して受け取れる。
だからそういった言葉を以って自分が少しずつ知ってもらえているんだなという実感が湧いたし、どんな言葉遣いだろうが内容だろうが文章量だろうが、その言葉の奥底にある熱量を読みながら汲み取っては嬉しく思った。
そして貰える言葉のほとんどに、「ライブ待ってます」といった言葉が最後の行に添えられていた。
音楽に対して色んな角度から悩んでいた時に、聴いてくれる人や楽しみに待ってくれている人がいると知れたのが凄く救いだったし、そういう人たちに会いたいという気持ちが元々持ち合わせていた何倍も強くなっていった。
それである日、数時間かけて一度本気で架空のワンマンライブのセットリストを組んだ。
「WEAKNESS」「WITNESS」合わせて10曲、ワンマンにしては少ない。
元来考えていた通りフルアルバムを出したとしても、その上でやるとなれば逆に曲数が多過ぎてしまうし、あと5~6曲あったら丁度良い。
今まで作ったストックの中から5曲あてがってみるも、どれもいまいちしっくり来ない。
「これは作るしかないのかな?」と思った頃にはどこか久々にワクワクしていたし、
辿り着いたと思っていた天井がまだまだ上にある事にようやく気付き、それに対する悔しさから曲を作れる頭と身体が返ってきた。
6月末から8月前半の間に「初ライブでやりたい」という5曲と、「いつか出せたら」という2曲が出来て、「WITNESS」同様、一瞬で収録曲が決まった。
「WEAKNESS」「WITNESS」は全曲レコーディングを終えた後にアルバムタイトルを決めたけど、「WINDNESS」はほぼ全曲が仮歌詞の段階で名付けた。
過去作2枚と同じ収録曲だから「W」から始まる単語にしたいという気持ちも勿論あったけど、「弱さを歌っていたい」「証言するように歌っていたい」とこれまで書いてきた楽曲やこれから発表していく楽曲で歌っていたいテーマや共通項、理想のスタンスをタイトルにしてきた中で、次作は五感により特化した歌詞を書きたいと思っていた事から「情景や空気が分かる」みたいな言葉は無いかと探っていたところ、「触れ心地、一目見た感じ」という意味合いの単語が見つかった。
それが「WINDNESS」だった。
後付けではあるものの、しっかりとそういった道筋というか、偶然がある。
予め企てていた事がそっくりそのまま思い通りにいった試しは無い。
それは自分の意思で違うルートを作ってそっちを選んだり、抗え無い理由で仕方なくだったり、理由は様々ながら無い。
思い通りにいかない代わりに、それをゆうに超える凄まじさを持った思いも寄らなかった事が起きる。
それこそ突然聴いてくれる人が増えるという、思いも寄らなかった事がこのアルバムの始まりだった。
セトリを組んでみて、それに沿った設計図に沿って曲を作り始めるものの、偶然観たテレビや知り合った人や出くわした出来事が楽曲に反映されてって、最初想像してたものよりもっと凄くて気に入れるものが出来ていって、そこに偶然良いアルバムタイトルが見つかって、3枚のアルバムの頭文字がWWWになると気付いて。
偶然だったり思いも寄らない事だったり、自分でコントロール出来ないものに手を引かれるようにして出来たアルバムだなと思う。
一曲歌入れを終えてから「やっぱり何かもっとあるはず」と歌詞を99%書き換えて翌日歌い直したり、そんな出来事も初めてあったけど、今作でそれが起きたっていうのは今思えばとても腑に落ちる。
「WINDNESS」。
その言葉通り、楽曲の中の景色や匂いだったり、何を今考えているのか、その心模様に触れる事の出来るアルバムになった。
過去作2作もそうだったけど、今作はその中でも更に歪で、更にポップ。
この3作でGhost like girlfriendの地盤を固められた気がする。
終わりでは勿論ないけど、これで次に進めるって意味では一つの区切りになるし、純粋に良いアルバムになったから是非聴いてやって欲しい。
来週火曜日にはJ-WAVEの「SONAR MUSIC」で今作から「shut it up」という楽曲が初OAされる。
びっくりするんじゃないかな。
2018.11.30.PM29:21