本日、来年リリースする3rd mini album「WINDNESS」から「shut it up」という楽曲が先行配信された。
先週J-WAVEの「SONAR MUSIC」で初OAしてもらって、リアルタイムで聴きながらTwitterで聴いてくださった方のリアクションを追っていると皆共通して戸惑っていて俺は笑っていた。
今作は弾き語りで曲を作っている段階から編曲に移った段階、レコーディングをしている段階から完成する段階、その全ての段階毎に想定のリード曲が移り変わっていった。
言ってしまえば、元々は「WEAKNESS」も完成直前までは「fallin`」ではなく「ghost」をリードに想定していたし、「WITNESS」も「sands」ではなく「髪の花」を想定していた。(二曲共MVを作ったので実質どちらもリードにはなった)
だけどこんなにも二転三転したのは初めてだったし、要はそれほど各段階で各楽曲が追いつけ追い越せの状態で競り上がるように良くなっていた訳で、それ故に自ずと今までで一番良いアルバムになった。
そんな胸を張れる楽曲ばかりのこのアルバムのリード曲となった「shut it up」は今作の中で一番最後に出来て、そして出来上がった時から今もずっと「変な曲が出来たな」と思っている。
7月25日に「WITNESS」の発売と同時に24歳になって、その後8月になってすぐにアレンジも込みで1日でデモが出来上がった。
「24歳になって初めて曲が出来た」とInstagramにも投稿していて、文末のハッシュタグにはもうこの楽曲のタイトルを綴っていたり、3枚のミニアルバムの収録曲の中では断トツで産まれたままのというか、浮かんだままの状態で駆け抜けて音源にパッケージしている。
こうして文章を綴っていてもどんな楽曲かというのを言葉にし難すぎてとても困っているんだけれども、聴いてもらえれば俺が言っている「変な曲だな」というのが一発で分かってもらえると思う。
今月に入ってから「WINDNESS」やGhost like girlfriendそのものへ色んな方から取材してもらっていて、「shut it up」に関して聴かれる時に「物凄く色んな音楽からの影響を感じた」と言ってもらえるものの、その実この楽曲が産まれた背景にそんな格好良いものは恥ずかしながら全く無い。
パンチのある楽曲を漠然と書きたいと思っていた頃にTVをつけてやっていたのが「水曜日のダウンタウン」という番組で、その日の放送回でやっていたのが、IKKOさんが「どんだけ〜〜」の要領で街ブラロケでのどんな振りにも4文字で返せるんじゃないのかという仮説を検証するという内容だった。
その時は楽しみながら観ていて、番組も終わってTVも消して曲作りに取り掛かるも、あまりピンとくるものも出来ずじっと考え込んでいて。
その時にさっき観ていた番組の事を思い出して、限られた文字数の言葉を紡いでいって楽曲を進めてくのはどうかという考えに至ってすぐさま、まず試しに2文字の言葉を探っていった。
2文字でちゃんと意味もある言葉が「やれ」とか「見ろ」とか「聴け」とか、命令形の言葉しかどうも浮かばず、でも取り敢えず色々浮かべてった結果「行け」が何かとても良くて。
この「行け」という言葉から、言葉が行進しているイメージが浮かんで、テンポ感も人が歩くスピードに近いものになった。
ナメんなと思われるかもしれないが、「行く」という言葉はどこか目的地があって、そこへ向かうという意味を指している。
自分はどこに行きたいかと考えた時、アルバムをリリースしたばかりだったし、音楽を通しての明るい未来に行きたいと素直に思った。
描いた楽曲を、狙った未来へ放り投げ、そしたらあとは、そこへ向かって行くというだけの作業。
本当はずっとそれだけを重ねていたいのに、誰かの言葉や理想に気を遣った結果そこへ呑み込まれて、色んなどうでもいい人の歯車にされて自分の未来を死なせているみたいな事が今まで沢山あった。
進みたいのに進めないのなら、物凄く下手だったとしても、そういう全ての弊害を踏み倒していきたいなと思った事からこの楽曲の歌詞を書いていった。
3分の楽曲の中で前半と後半は曲調というかテンションがまるで違う。
後半の爆発したような展開は正に、豪快に自分をこけにする色んな不条理を踏みつぶしながら爆走する様を描いた。
前半はもう少し色んなシンセだったり音を入れようかなと思っていたけど、休憩がてら「WITNESS」を通販で買おうかと思った時にレビューを見ると「ドラムのアレンジが上手くなると更に楽しみ」と書いてくれていたので、「見ててくれ」と思いドラムだけにした。
本名名義でのライブの時、ドラムとツーピースでやる事が多くて、その時の事を思い出したのもあって自然な流れで出来ていった。
妙な入り口から最初は作り始めたこの楽曲だけど、そういう自分の歴史や言いたい事を存分に注ぎ込めて、結果最高の楽曲になった。
「WINDNESS」の収録曲は全てライブをイメージして作っていって、その中でもこの楽曲は特に意識して作った。
だからライブでどうなるのかが今から自分で楽しみになっている。
アルバムの1曲目にふさわしい、幕開けの楽曲になっている。
2曲目以降の楽曲も、それぞれタイプが違っているから良かったら楽しみにしていて欲しい。
アルバムが出るまであとおおよそ一ヶ月、この楽曲に思いを馳せながら期待していて欲しい。
本当に今作も、「最高だ」と胸を張って言える。
2018.12.14.PM18:23