Ghost like girlfriend

TestifyColumn

2019.4.9.PM20:54

ワンマンから一ヶ月、前回の更新から今日で一ヶ月、フルアルバム完成から明日で一ヶ月。
月日の経過が早すぎる。

マスタリングの翌日にはアルバムに関する打ち合わせがあったり、熱が冷めないようにと言わんばかりに色々進み始めたけど、この一ヶ月は分かりやすい如何にもな休み方をしようと、少し温泉へ行ったり友達のライブを観たり朝まで遊んだり、あとは色んなところで友達や前のバイト先の皆に諸々祝ってもらったり、嬉しかった。

それらの待ち合わせ場所へ向かう道中にも出来たてのアルバムを必ず聴いたり(めちゃくちゃ良い)、あんまりグッと来るものはまだ見当たらないけどメロが浮かんだら録音してみたり、相変わらず何かを探している。
今は全部出し切った荒地の脳の中心に、芽とギリギリ呼んで良いものが見えているような感じだから自分でもまだあまりよく分かっていない。
そんなにまだ焦って無理しなくても良いかなんて思いながら目を凝らしている。

先日「SYNCHONICITY’19」にて2度目のライブ、改めて有難うございました。
直前の直前までお客さんが居ないという体で考えていたからあんなにも集まってもらえた事に驚いたし、終演後の反響も沢山頂けて嬉しかった。
物凄く楽しんでしまったけど、観て下さった方にも楽しんでもらえてたならなと思う。

数年前だったら本当にありえない状況だったなと思いながら歌っていた。
Ghost like girlfriendとしてステージに立つ時、素晴らしい夢や素敵な泡を見ているような感覚になる。
だからこそ「もう2度とないかもしれない」と夢中になれたり、使っても使っても力が底を尽きなかったり、以前よりもライブが更に楽しくなった。
本当に有難い。

あんな素晴らしい景色を誰よりも良い場所で、あんなに沢山の人達が一斉に自分の作った音楽で動いてくれているのをこの一ヶ月で2度も見たのに、まだ現実味が無い。
先月のワンマンや先日のライブのような景色を一度でも見れば、それ以降書く楽曲はよそ行きの顔立ちになるというか、視点が外へ向くようになると思ったけど、相変わらず内を向いていてそこから動く様子も無い。
「聴いてもらえる」「興味を持ってもらえる」という状況にあまりにも慣れてなかったんだと、自分の脇役っぷりを改めて自覚してシュンとしたりもする。

満員のライブハウスにアルバムへの諸々、メジャーデビュー。
あまりにも今が露骨な登り坂過ぎて、いつか崩れ去ってしまうのかなと正直心配になっている。
リキッドルームと聞いて思い出すのがこの高橋優さんの初ツアー映像。

長年の下積みを経てメジャーデビュー、それこそワンマンライブだったりタイアップだったり、下積み時代に夢見てたであろう事が沢山叶ってきた矢先のデビュー半年目に震災があって、音楽含めたエンターテイメントが自粛ムードに包まれて。
その時のこの人の心境や、見えていたものってどんなものだったんだろうと近頃よく思う。
一時的にとはいえ、自分を夢中にしてくれたものや人生の中心に据えていたものが世間的にナシになってしまえば、俺ならしばらく動けなくなる。

そのムードが終わり切っても無かっただろうし、これは震災も関係ないし自分の勝手な視点というか思い込みだけど、曲を書くという事だったり、取り組んでいる事はアマチュア時代からあまり変わらないはずなのに突然堰を切ったように色んな事が叶いだす様への不安というか、比べるのもおこがましいけど、それこそ露骨な登り坂っぷりに対しての恐怖もあったんじゃないかなと思っていて。
そんな中でツアーをやり通したんだなと思いながらこの映像を観ると強かに見えるし、アンコール終了後のお客さんの合唱の裏で泣いていたのを思い出して、勝手ながら色んな事を思ってしまう。

この映像のツアーの次の、優さんにとって2度目のツアーへ高校の頃に行った時、バックステージパスなるものが運良く当たって終演後に少しお話させてもらった。
ちょうど前の事務所のスカウトが来た直後だったから、「デビューするかもしれないです」「いつか共演したいです」とつい舞い上がって言ってしまった。

それから8年という、それなりの月日とゴタゴタと幸せとを経過してからの現実化になる訳だけど何の因果か、自分の初ツアーの会場にもリキッドルームが含まれている。
「Tour Virgin」、恵比寿リキッドルームと梅田シャングリラ。

少し前なら考えられない事が沢山起きてくれる今に動揺したり、どうしようもない不安に突然駆られてしまう自分から、もっと色んな事を堂々と見られる自分になる為のツアーになるんだと思う。
簡単に言えば強かになる為のツアーというか。
このツアーを経てやっと本当の意味で始まる事が沢山ある気がしている。
スタートラインに立てたとしても裸足だったら長くは走れないだろうし、相性の良い靴があったとしても走る気が途絶えたらそれまでだし。

叶えたい事だったり、それに必要な気概だったり、これから音楽を立派にやっていく上で欲しいものが揃うライブになるんじゃないかなと思う。
これも簡単に言ってしまえば凄く大事なツアーになるんだと思う。
何せ初めてっていうのもあるし。

偶然にも、そんな気持ちを持っているツアーで歌うにはあまりにも適している楽曲ばかりがアルバムにわりと収録されていたりするし。
悔いの無いように楽しみ切りたい。
終える頃には堂々と出来ていたら100点。

そう遠くないうちにアルバムに関する色々も伝えられると思うんでお楽しみに。
「Tour Virgin」も、教わる事が多くてまた返すものが募りそうですが、宜しくお願いします。

2019.4.9.PM22:06

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