つい先週のことだ。妹をいじめていた主犯格がようやく自殺した。
苦節7年、長かった。
私と妹は一回り以上年が離れている。兄弟喧嘩が起こる年の差でもないので私は溺愛している。そんな妹が学内でレイプ未遂にあったのは中学の頃だ。
何とか最後の一線を超えられる前に助けが入ったようだが、そんなことは関係ない。快活だった見る影はなくなり、家族以外の異性は見ることどころか声が聞こえることさえ怖がるようになってしまった。きっかけは、他の女子が片思いしていた子が妹に告白したとかそんな話だった。それで嫌がらせが始まり、次第にクラス全体が悪ノリし、下半身しかない糞が調子に乗って犯そうとした。そんな次第だ。
許せなかった。そんな人未満共もそうだが、離れて住んでいるとはいえ2ヶ月近く気づいてやれなかった自分や同居していたはずの両親がだ。
正直な話、私自身もいじめられたことがある。帰国子女として小学5年のとき日本の公立校に編入したときのことだ。編入初日から、なぜか無視され水筒のお茶を顔にぶちまけられた。女の担任教師は目の前で水をぶちまけられ、牛乳を浸した雑巾を投げつけられている私を見て見ぬ振りした。許せなかった。まあ、そんなことはいい。
妹の件を受け、私は決心した、必ず復讐してやると。妹はそんなことを望んでいなかったが関係ない。私はわたし自身のために、必ず奴らを地獄に叩き込んでやると誓った。
私も父も働くしか能のないような人間なので金だけはあった。外資に務めていた私はボスに相談し、半年の休暇をとることになった。彼への恩義を忘れることはないだろう。
私は手始めに弁護士と探偵を雇った。民事刑事、それに学校への圧力も含め法務のエキスパートと情報収集は欠かせないと思ったからだ。
まずは、被害届を出そうとした。だが、ここでもう躓いてしまう。被害から数週間経ち証拠に欠けるだとかでまともに取り合おうともしないのだ。弁護士を連れて行っても、ろくに重い腰を上げようとしなかった。だが、ここは身内の機転でうまくいった。県道を嗜む叔父が警察剣道の稽古で知り合った現職の警察幹部を紹介してくれたのだ。彼は親身になって相談に乗ってくれ、そのおかげで週明けには被害届が受理された。数日前とは打って変わって愛想よく対応してきた糞のような警官共の名前は一生忘れない。
学校も手強かった。謝罪はもちろん、ろくに事実確認すらしようとしない。だが、ここは札束の力で解決した。学校関係者の身辺調査の結果を使ったのだ。校長には現在進行系の不倫が、学年主任の息子には傷害での逮捕歴があったのだ。どちらも教職者の信用を失うには十分だ。仄めかすだけで、ホイホイ言うことに従うようになった。
あとはレイプの実行犯の男3人といじめの主犯格の女だ。ありとあらゆる手段を使った。家族もろとも社会的に殺してやろうと思っていた。父親の勤め先には息子娘が性犯罪を犯して警察が捜査中であることを郵便で送りつけ、自宅周辺や母親のパート先にはホームレスを使って誹謗中傷のビラをまかせた。ホームレス経由で地元のヤンキー共に金を渡し、糞どもに暴行を加えるようにも指示した。自宅への落書きや騒音もやらせた。引っ越すものがいれば探偵を使って転居先を調べ上げ、同じことを繰り返した。街宣車まで金で呼んだ。数年の間に4家族すべてが離婚し、親兄弟はある程度離散した。それでも、本人たちの居場所に対しては嫌がらせを徹底して続けた。バイトを始めれば勤務先に犯罪者である旨を伝える電話やFAXを繰り返し、専門学校に行き始めれば学生に金を積んで、学内にもビラを撒かせた。もちろんネットでも誹謗中傷の限りを尽くした。顔写真や家族構成、真っ当でない人間に撮らせた入浴中の盗撮写真に至るまで全てを晒した。
最初の2年の間に、男3人は体に障害が残った。ヤンキーだかヤクザ崩れだかにサンドバッグにさせた甲斐あって片端ものになったのだ。もうまともな人生など歩めない。一人に至っては玉が片方潰れたとかで年に片手で数えるほどしか外に出なくなった。殺してやろうとも思ったが、さすがに放火は思いとどまった。いくらなんでも、捜査が始まってしまうからだ。
だが、女は許せなかった。レイプを指示し、あまつさえ見ていたというのだから許せるはずがない。この手で絞め殺せたらどんなにかいいだろう。だが、それはできない。そんなことをすれば妹は悲しむからだ。あの子のそばにいてやらなくてはならない。その気持ちだけが私を押し留めた。
幸いなことに、そのアマは徐々に精神を病みつつあると報告を受けていた。4年も経つ頃には立派な統合失調症だった。私は歓喜した。これでもう、あの女はまともな精神、真っ当な人生に戻ることはない。死んだも同然だ。その時点で自宅近辺での嫌がらせはやめさせた。これ以上せずとも良いからだ。無用な出費が無くなり、ささやかな祝いに妹の好きなティラミスを買ってきたのを覚えている。何も知らない妹は、誕生日でもないのにどうして?なんて言って笑っていた。その頃には妹はメンタルケアの甲斐もあって家族と一緒になら旅行に行けるくらいには回復していた。
それから3年、定期的に報告は受けていたのだが、先週の頭に自殺したようだと電話を受けた。本当に長かった。妹は4月から大学に通い出した。人より遅いが楽しんでいるようだ。そのうち彼氏も欲しいななんて笑えるくらいになった。本当に良かった。けれど、彼女は知らない。一言も口にしたこともないが兄が加害者たちを執拗に追い回し自殺にまで追い込んだことを。私も決して伝えるつもりはない。
父は感づいているかもしれないが、母は知らない。知らせる気もない。ただ、誰かに知ってほしいのだ。本懐を成し遂げた者がここにいるのだと。祝杯をあげられないのだから、この溢れんばかりの喜びをせめて匿名でさらけ出したいのだ
長い苦労があったんだね。 久米幸太郎に匹敵する忍耐。 世が世ならこの増田が古典の教科書に載るレベル。
匿名ではないのだが...
亡きhagexが見分け方本かいてたけど それを使うまでもなく普通に増田文学(フィクション)やで
説得力ある本だな。。
で、済めばいいよね
anond:20190729204453
良いことをしたね。どこかで生きてると思うだけで本当に恐怖だからその後一生絶対に出くわさなくなったのは本当に良いことだよ。
嘘つくのってそんなに楽しい?
一生名前を忘れない糞警察官への復讐編期待してるぞ
「貧困層でも取り組める10の嫌がらせ」みたいにキャッチーなテーマに練り直して欲しい
脅迫とか、傷害教唆といった犯罪になるような部分はぼかすように。