なろうで投稿したら殺されるかも   作:どうか Kappa と発音して下さい。
次の話 >>

1 / 2
(タイトル一本釣りで)笑っちゃうんすよね


本編
でもいつか投稿したい


「次の方どうぞ」

  

「失礼します」

 スライド式のドアを開けて入ってきたのは、俗に言う太郎兄弟(イキリ骨太郎氏は例外)に類するであろう中性的でおとなしそうな顔立ちの少年である。

 服装は肩から足先まで真っ黒。薄い生地のマントをひらひらと靡かせる姿からは、来訪者の頭の悪さが窺える。どうせどこかのラノベに影響されてそんなゴミ漁りの害鳥のようなファッションに走ったのだろう。

  

『キリトかなーやっぱw』

 電子の海で笑われ続ける青春に私は黙祷をささげた。

  

「……あの」

「どうぞお座りください」

  

 少年はキョロキョロと落ち着きのない様子で席に着くと、こちらを向いて口を開いた。

「ここに来れば悩みを解決してもらえるって聞いてきたんですけど」

「そうですね。そのための異世界相談所ですから」

 何千、何万回と言い続け、ついに貫禄をもち出した私の言葉に少年は安心し、宙に浮く手をひざの上に収めた。

  

 異世界相談所とは文字通り異世界に転生したことで発生した問題を解決するべく設立された機関で、最近は相談者の数も増え続け仕事は増えるばかりである。

 異世界研究の権威、イセカイ・バカジャネーノ氏によれば現実世界での異世界小説のアニメ化のブームが原因らしい。

  

「僕、コウスケって言います。もともと四十七歳までブラック企業でサラリーマンやってたんですけど気づいたら過労死させられてまして」

「それを憐れんだ神様が転生させてくれたと」

 今となっては数えるのも億劫になるほどの手合いだ。現実世界の労働者は相当に劣悪な環境ですりつぶされているらしい。神様は転生よりも先に労働環境を整えるべきである。

  

「その通りです。だから精神年齢はそろそろ還暦を迎えることになります。面白いですよね」

 コウスケ氏は不相応にハリのある肌を撫でながらそう言った。

  

 私がまだこの仕事に就いたばかりのころはこの相談者のように肉体のほかに言動までもが幼くなるのを不思議に思っていたが、ある相談者に尋ねたところ精神が肉体に引っ張られるようで癇癪を引き起こしたり、不適切な発言をしたりするらしい。

  

 それでも中には子どもの見た目で大人の風格を醸し出す者もいるから、そんなのは誤りなのかもしれない。体だけ大人になってしまった子どもが、社会で生きるために幼さを隠していたが、体が赤ん坊になったので、これ幸いと溜まった鬱憤を晴らそうと子どもになりきるのではないかと睨んでいる。

  

「では相談内容を」

「うーん、読者が僕のことを嫌いみたいなんですよ」

「ほう、読者ですか」

  

 転生者にもいろいろ種類がある。

 基本的に彼らは物語の内部の存在で、外部にいる読者とは触れ合うことはおろか、知覚すらできない。そのためここに持ち込まれる問題はハーレムの形成に失敗しただとか、美少女になってしまっただとか自分に近いモノに限られる。

 だが一定数メタな視点を持つ者がいる。そういう人種は自分の行動が小説の形で世に放たれていることを知っている。

 今回の問題は時空を超えたものであるためマニュアル外の対応をとらざるを得ない。

  

「ちょっと待ってください。今見せますね」

 コウスケ氏はどこからか取り出したノートパソコンをテーブルの上に置いた。キーボードを叩き、タッチパッドを用いてページを開いていく。

  

「まとめ民かよ」

「えっ」

「失礼」

  

 たどり着いた先には『【急募】なろうのコウスケとかいうカスを殺す方法』というタイトルのページがあった。

「殺人はいかんでしょ」

「えっ」

「なにか?」

  

  

 1: 名無し転生 20XX/01/17(水) 20:32:41.24

 ムカつく

 包丁で腹を裂いてやりたい

  

  

 2: 名無し転生 20XX/01/17(水) 20:33:54.74

 >>>1

 おは言葉

  

  

 5: 名無し転生 20XX/01/17(水) 20:36:45.96

 また僕なにかやっちゃいました? 

  

  

 12: 名無し転生 20XX/01/17(水) 20:39:41.65

 エロシーンからわかるが作者は童貞

  

  

 13 名無し転生 20XX/01/17(水) 20:40:29.12

 >>>1

 通報しますた

  

  

 14: 名無し転生 20XX/01/17(水) 20:40:57.32

 擁護してるやつは文盲

  

  

 35: 名無し 転生20XX/01/17(水) 20:55:21.74

 俺も読んでてつらかった

 なんであんなの書けるのか理解できない

 ただの愚痴じゃん

  

  

 37: 名無し転生 20XX/01/17(水) 20:56:43.85

 不快なんだよね

 車裂きに一票

  

  

 41: 名無し転生 20XX/01/17(水) 20:57:32.34

 いじめの描写だけリアルすぎる定期

  

  

 その後も長く悪口や処刑方法などが連なっている。

  

「……心当たりは?」

「それがないんですよね」

 現実世界では最強の無自覚に嫌われるタイプか。これはやっかいだ。つい天井を仰ぎ見てしまった。

  

「掃きだめの言葉なんて気にすることないと思いますよ?」

「だめですよ! 僕はプロなんですから!」

 転生者の中には勝手にプロ意識をもつ者がいる。それが鼻持ちならなく見えることもあるのかもしれない。しかし異世界転生のプロとはなんだ。いかに苦しんで死ぬかを競い合っているのであろうか。

  

「プロとして心掛けていることってなにかありますか?」

「とにかくカッコいいバトルシーンを作っています!」

 コウイチ氏は何も知らない小学生のような溌溂さで答えた。

  

「具体的には?」

「文字数割いて戦闘をリアルにすることですかね。その方が映えますから。技も一番見栄えのいいのを使ってます。それで建物壊れちゃうのは仕方と思うんですよ。それに―」

 

 

 リアルな戦闘とはなんのことだろうか。

『キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!』

  

 文章は想像力を刺激するものであるからいたずらに書き並べて読者の目を塞いではいけない。

 文字を使ってリアリズムを追求することは、技術のある人間にのみ許された行為であり、一般人は戦闘シーンの華やかさに凝るのもいいが、転生者自身の内面の葛藤を追求すべきである。

 強大な敵は自身の影であり、それをどのように調理するか。それが見どころなのである。

  

「その話は結構です。ほかに何かしていることはありますか?」

「サービスシーンを毎回入れてます。そろそろ濡れ場をやってみたいですね」

 役者気取りであろうか、生意気な男である。

  

 異世界転生におけるヒロインは幼い少女であることが多い。この現象の原因は転生者が少年時代の異性関係において不遇な境遇で過ごしていたことが挙げられると、バカジャネーノ氏はおっしゃっていた。

  

 時々勘違いしてすぐセックスに走る転生者がいるのであるが、そういうのを見たい人間は官能小説を買うものだ。大人が幼女に手を出すシーンなんて読者は求めていない。YESロリータNOタッチ。少女は性の対象ではなく、愛でるものである。ああ、これは異世界云々の話ではないか。

  

 もう一つ性の対象として見られているのが奴隷である。性格の悪い奴隷商人にこき使われていた女の子が転生者に助けられ、そのままホレ込むまでが一つの流れとして確立されている。

  

 ばかげた話である。弱者と弱者がお互いの傷を舐め合う姿はまことに情けない。

  

 そもそも女はもっと賢い生き物だ。社会的地位の低い男からはさっさと逃げるものである。まァ、逃げることができない哀れな女は異世界の中にしかいないから気に病む必要もないか。

  

 ──閑話休題。

 ヒロインは厳重な契約に縛られており、主人を絶対に裏切ることができない。そのため転生者は安心して自らの少ないリソースを注ぐことができる。

 それは女がすぐ逃げてしまうことを知っているゆえの行動であろうか。どちらにしろ見ていてつらいものがある。

 それはまさしく檻の中に閉じ込めたペットに対する愛と同じであろう。

  

 これらのことを平気で行える転生者は自分ことを選ばれた人間だと誤解しているか、もしくは異世界人を生きた人間だと考えていない節がある。

 確かに話の都合上キャラクターは何らかテーマ、行動などにまつわる属性をもつものだが、その前に一人の個人であることを忘れてはいけない。

  

「解決策が分かりました」

「本当ですか。よかった、これで人気も元通りですね」

 可哀そうに、自分にまっとうな人気があったと思い込んでいるのか。その注目は君が愚かで救いようがない人間だから手にしたものにすぎないというのに。

  

「バカは死ななきゃ治らないということだな」

 まァ、死んでも治らなかったバカが君なのだが。

  

「それはどういう──」

「エタれっ!」

 私がそう叫ぶと、コウスケ氏は石になった。そして完結の夢は跡形もなく崩れ去った。

  

「君のような駄作は淘汰される。それが異世界のためだ」

 やがて床が抜け、彼だけが落ちていった。

 新作の投稿が途絶えた作品はランキングの奥深くに沈んでいく。それだけのことだ。

  

 決して同情なぞしてはいけない。むしろ徹底的に攻撃してやるべきである。そうしてやっと転生者たちは良く生きることを学び、異世界はより洗練された姿となる。

  

 現実逃避を突き詰めた先に、異世界チート、異性にモテモテ、英雄として崇められる妄想がある。

 それらは社会に適応する能力のなかった者たちの慰めの幻覚であり、異世界はその嘘の寄せ集めにすぎない。

 それなのに転生者たちは「やれやれ」なんてヘラヘラしている。

 だからある程度現実に満足している人間の目には薄気味悪く映るモノだ。

  

 だが私もまたそんな異世界の毒に溺れた一人である。わかっているんだ。

  

「次の方どうぞ」

 ……いつまでもこんなことをしているのだから。

 




どこかで聞いた話を集めて書いてみました。
もし読者様の中に話したい「異世界転生の変なところ」、「奇妙なエロ漫画、AVのシチュ」、「もう創作から離れて恋人のクサイ発言」とか「とにかくツッコミどころ満載なこと」があれば教えてください。面白くて、納得できるネタが集まったらまた別の話を書きたいと考えております。

感想、評価、お気に入り待ってまーす!

追伸 活動報告におまけを書きました。評価両極端に分かれてて笑うわ。

追追伸 UAめちゃくちゃ伸びててビビるわ。ラノベのタイトルが大喜利みたいになる理由がわかったわ。ついでになろう怖いわ。

追追追伸 この小説読んで怒った人。ち○こ切るか、もっと怒れ。ぶちぎれコメ気持ちおぁしみるわようしみる。
 この小説読んで喜んだ人。ち○子生やすか、もっと喜べ。褒められるの気持ちおぁしみるわようしみる。


※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。