【高校野球】飯山、白い旋風巻き起こせ 「雪国から甲子園へ」掲げ初陣2019年8月1日 紙面から
6日に甲子園球場で開幕する第101回全国高校野球選手権の長野代表として、飯山が初出場する。学校がある長野県飯山市は国内有数の豪雪地帯だが、選手はそのハンディをはね返し、長野大会では東京都市大塩尻や上田西といった甲子園出場経験を持つシード校を撃破。決勝では伊那弥生ケ丘に延長10回サヨナラ勝ちした。吉池拓弥監督(28)は「まずは1勝したい」と目標を掲げる。今大会、春夏を通じて初めて甲子園に出場する2校のうちの1校。8月1日の甲子園練習で初めて聖地の土を踏む。 甲子園でも「白い旋風」を巻き起こす。強豪校を倒した自信を胸に、憧れのグラウンドへ乗り込む飯山ナイン。主将の大川陸内野手(3年)は大舞台での初陣に向け、こう意気込む。「飯山の楽しい野球を、甲子園でも変わらず、みなさんにお見せしたいと思います」 チームのキャッチフレーズは「雪国から甲子園へ」。冬はグラウンドが一面の銀世界となり、時には1メートル以上の雪が積もる。一昨年は4月、今年も3月の後半まで土の上での練習ができなかった。それでも、昨年10月に就任し、丸子修学館(長野)の選手としてセンバツに出場した経験がある吉池監督に「甲子園で勝つ」と言われた選手は日々の練習に工夫を凝らした。 長靴で雪を踏み固めてプレーできるようにしてから、内野のノックや外野の捕球練習を繰り返した。素振りは校舎内の空きスペースを見つけ、数をこなした。他の運動部と共用の体育館で連係プレーを鍛えるため、誰もいない早朝に登校したこともあった。 「雪を言い訳にしたら勝てないまま。我慢してやり続けました」と大川。豪雪地のハンディをはね返す練習で精神力も鍛えた結果、選手は「どんなチームが来ても大丈夫」「練習してきたことを楽しくやろう」と思えるようになった。その結果が長野大会の進撃。延長戦となった決勝でも心は最後まで折れなかった。 学校は飯山北、飯山照丘、飯山南が2段階を経て統合し、2007年に創設された。飯山南の前身・飯山高等女学校には「愛の賛歌」で有名な往年の歌姫・越路吹雪が在籍していた。さまざまなOB、OGや市民の思いを背負って初めて立つ夢舞台。背番号1の岡田恵太投手(3年)は「1勝する自信はあります」と言い切る。次は甲子園で「勝利の賛歌」を奏でてみせる。 (川越亮太)
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